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プロチームも手掛ける栄養アドバイザーが解説 体調管理に有効な“秘密兵器”とは

乾燥した空気にさらされ、身に染みる寒さが続く冬は体調管理も難しい季節。屈強な体を持つスポーツ選手にとっても同様で、「特に季節の変わり目は体調を崩しやすいため、細心の注意が必要」と、Jリーグの横浜F・マリノスやラグビートップリーグのパナソニック ワイルドナイツなどの栄養アドバイザーを務める橋本玲子さんは語る。

季節の変わり目は細心の注意が必要、体調管理の“秘密兵器”

 涼しさが心地よい秋の訪れを感じたのもつかの間、季節は間もなく冬本番に突入する。乾燥した空気にさらされ、身に染みる寒さが続く冬は体調管理も難しい季節。屈強な体を持つスポーツ選手にとっても同様で、「特に季節の変わり目は体調を崩しやすいため、細心の注意が必要」と、Jリーグの横浜F・マリノスやラグビートップリーグのパナソニック ワイルドナイツなどの栄養アドバイザーを務める橋本玲子さんは語る。

「ラグビーやサッカーのトップチームでプレーする選手たちも、9月後半からコンディションが崩れやすい傾向がみられます。特にサッカーはリーグ戦も後半に入り、疲れもだいぶ溜まる時期。疲労のたまった体は抵抗力が弱まり、発熱や風邪をひいたりインフルエンザにかかったりしやすいので、十分な休養と栄養が欠かせません」

 この時期、特に意識して取りたい栄養素はビタミンA・C・E(エース)。ビタミンAは鼻や気管支などの粘膜を正常に保つことで風邪の予防に、ビタミンCとEは免疫機能を高め、ウイルスに対する抵抗力を高めることに役立つと橋本さんは話す。

「ビタミンAは鶏肉や卵、レバーのほか、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草といった色の濃い野菜。ビタミンCはブロッコリーやトマト、ピーマンといった色の濃い野菜のほか果物にも多く含まれます。果物ならキウイやグレープフルーツのほか、今の時期ですと柿、みかん、レモンがおすすめです。ビタミンEはアーモンドやヘーゼルナッツなどに含まれます。

 また、栄養をしっかり吸収したいので、腸内環境を整えることも不可欠。そこで力になるのが、納豆、キムチ、味噌汁、チーズなどの発酵食品です。F・マリノスでもこの時期になると“発酵食品を意識して摂ろう”という言葉が選手の視界に入るようにポップなどに表示し、意識して摂ってもらう工夫をしています」

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/