ラグビー世界1位大国の栄養サポートの舞台裏 W杯で“決勝トーナメントに残る強豪と他の国”の違い
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「ラグビーワールドカップ(W杯)アイルランド代表の栄養サポート」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載 今回は「ラグビーアイルランド代表の栄養サポート」
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「ラグビーワールドカップ(W杯)アイルランド代表の栄養サポート」について。
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2大会連続4度目となる南アフリカの優勝で幕を閉じたラグビーW杯フランス大会。グループリーグでその南アフリカを破ったアイルランド代表の栄養士、エマ・ガードナー氏のプレスカンファレンスが、大会の公式サイトで配信されていました。
W杯開幕時、世界ランキング1位だったアイルランド代表は、栄養サポートが充実している国の一つです。国内リーグの各チームには専属の栄養士が常駐。ラグビー協会も公式先サイトの「Nutrition」というコーナーで、対ラグビー選手だけでなく、レフリーや育成年代に向けての情報を積極的に発信しています。
プレスカンファレンスに出席したガードナーさんは、10年前からイングランドラグビーのクラブチームをサポート。ほか、6年間クリケット代表やホッケーなどの栄養士を務め、1年前、アイルランドラグビー協会の栄養の責任者に就任されました。
ガードナーさんは「アイルランドラグビー界の栄養サポートは、この10年間で目覚ましく進歩した」と言います。なかでも大きな変化は2点。1点目は国内リーグに所属する各チームに、栄養士が常駐するようになったこと。チームの栄養士は男子トップチームに限らず、女子やセブンス、各年代の選手もサポートしているそうです。
2点目は代表チームのサポート体制。今大会、アイルランド代表は、栄養士と二人のシェフが帯同しました。
同じチームに所属する選手は皆、同じようなものを食べているイメージがあると思いますが、嗜好や目指す体重・体脂肪率は選手によって異なるため、食べる内容も量も一人ひとり異なります。そのため、栄養士が一人ひとりに何が必要かを選手と一緒に考え、食事の内容をテーラーメイド。ここからも、食事とトレーニングの大切さを選手、指導陣が栄養士と共有していることが伝わってきます。
彼女はこれらについて、「ラグビー協会として行った、非常に大きな投資である」と言います。