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アスリートが地球のためにできる食事の工夫 スポーツ栄養の世界も「これまでを見直す時期に」

Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「アスリートが地球のためにできる食事の工夫」について。

今回は「アスリートが地球のためにできる食事の工夫」について(画像はイメージです)【写真:ロイター】
今回は「アスリートが地球のためにできる食事の工夫」について(画像はイメージです)【写真:ロイター】

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載 今回は「アスリートが地球のためにできる食事の工夫」

 Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「アスリートが地球のためにできる食事の工夫」について。

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 気温の上昇や自然災害の増加は、スポーツにも多大な影響を与えるため、スポーツ界でも気候変動への危機意識は世界的に高まっています。

 IOC(国際オリンピック委員会)が運営する、エリートアスリートとオリンピアンのための世界最大のコミュニティ「アスリート365」でも、環境問題に関し積極的に情報を配信。気候変動を抑えるためにアスリートができることとして、「サステナブルな旅をする」「気候変動に責任を持つパートナーと連携を持つ」「プラットフォームを使用してできることから取り組む」、そして「パフォーマンスと地球のための食事」と、4つのサステナブルなポイントを挙げています。そこで今回は、IOCが挙げた「パフォーマンスと地球のための食事」について、詳しく取り上げます。

「パフォーマンスと地球のための食事」とは、気候変動の要因とされる、温室効果ガスの排出を抑える食事です。脱炭素化を進めながら、パフォーマンスを発揮できる食事を心がけることを指します。

 IOCではアスリートとサポートする人が、気をつけられる3つの取り組みを紹介しています。

 1つ目は、動物性食品を減らす、あるいは摂らない食事への移行です。

 アメリカ・コロラド大学のNanna Meyer博士らが行った、アスリートの典型的な食事と環境との関係についての研究によると、アスリートのたんぱく質摂取量は必要量よりも多く、一般の人の約2、3倍の量に相当。そのうち、70%が動物性食品に由来することがわかりました。

 食品の生産、流通、加工、包装、調理の各過程において、どの程度、環境に負荷をかけているかを示すライフサイクルアセスメントによると、肉類の多くは植物性食品と比べると、約4倍、温室効果ガスを排出。2018年にオックスフォード大学で行われた研究では、プラントベース食を取り入れることで、個人の食品関連の二酸化炭素排出量を87%削減できることが報告されています。

 そのため、アスリートたちは、それぞれのたんぱく質摂取量が適正かを見直し、動物性たんぱく質を植物性タンパク質(穀類、豆類、野菜)に置き換えることを勧めています。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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