夏の食欲低下をさせない1日3食の取り方 朝に「一杯の味噌汁」がオススメの理由
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「食欲低下をさせない食事の工夫」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「食欲低下をさせない食事の工夫」
Jリーグやジャパンラグビー リーグワンをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「食欲低下をさせない食事の工夫」について。
◇ ◇ ◇
6月、記録的な猛暑が続きました。総務省消防庁が発表する、全国の熱中症による救急搬送状況(2022年6月20~28日/速報値)によると、救急搬送されたうち成人の占める割合は32.8%。非常に多くの働き盛りの方が、暑さによって体調を崩していることがわかります。
暑くなると、当然、汗の量が増え、日々、体内の水分やナトリウム等の電解質が大量に失われます。これが熱中症の原因の一つですが、水分不足は、暑さによる食欲の低下も深く関係しています。
一般成人は、1日約1リットルの水分を、野菜やご飯、味噌汁などの食べ物から摂っています。そのため一食でも食事を抜くと、いくら水やスポーツ飲料などを飲んでいても、水分不足になってしまう。実際、熱中症で救急搬送される人は、朝食を摂っていないことが多いそうです。
また、食事量が減ると、当然、エネルギーやたんぱく質、ビタミン等の栄養素が不足します。加えて、冷たい物を飲んだり食べたりが続くことで、内臓が冷え、働く力が低下。すると、食欲がさらに落ちるだけでなく、食べたものが消化できない、栄養の吸収が悪くなるという悪循環が生まれ、免疫力が低下し夏風邪の原因にもなります。
食欲を取り戻すことは、熱中症や免疫力低下を防ぐカギです。そして、食欲が落ちたときは、数日間だけでも「食べ方」を工夫すると、食欲も胃の調子も徐々に復活してくるはずです。そこで、朝・昼・晩、具体的に何をどのように食べればよいのかを、お話ししましょう。