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スポーツで突然起こる「脚がつる」問題 実は水分補給だけじゃない予防の基本とは

欧米トップアスリートに人気の飲み物「PICKLE JUICE」とは

 さて、スポーツ栄養の先進国であるオーストラリアをはじめ、欧米のトップアスリートに人気の飲み物といえば、「PICKLE JUICE」です。

 オーストラリア国立スポーツ研究所(AIS)では、市場のサプリメントの使用について検討し、A~Dの4つのグループに分類しています。

「A」はスポーツの特定の状況において適切なプロトコル(サプリメント計画)に従い、使用が認められているもの。「B」はさらなる研究は必要ですが、研究や症例管理されたモニタリング状況下での使用が考慮されるもの。「C」はアスリートにとっての利益が科学的に証明されていないため、AISのサプリメントプログラムとして供給することはできないもの。「D」は摂取を禁止しているものです。このAISスポーツサプリメントフレームワークは2020年に改訂。その際、カテゴリーBに入ったのが、この「PICKLE JUICE」です。

「PICKLE JUICE」の主原料は、酢と食塩。食塩相当量は1本240mlあたり2.1g(小さじ1/3)とかなり塩分濃度が高い飲料です。また、「PICKL JUICE」よりもさらに塩分濃度が高く、ライムジュース、しょうがなど刺激の強い材料を加えたドリンクも、Bグループに入りました。

 AISではこれらを「TRANSIENT RECEPTOR POTENTIAL(TRP)チャネルアゴニスト(作用薬)」に分類。口に含むと、喉の奥で生体分子のTRPチャネルが活性化。全身の筋肉への神経経路がリセットされ、けいれんの感覚が遮断される、と考えられています。これにより、30~80秒でけいれんが緩和され、より長い運動パフォーマンスを可能にしているのではないか、とのことです。

 TRPチャネルアゴニストの摂取量やタイミングに関するガイドラインは示されていませんが、運動を開始する15分前、またはけいれんが起こりそうな時に取り入れている選手が多いようです。刺激が強すぎて飲めない場合は、口に含んで口腔内を刺激することでも、同様の効果は期待できるとのことです。

 冒頭でもいいましたが、腓腹筋けいれんは世界的に選手やトレーナーが試行錯誤を続けている深刻な問題です。スポーツ栄養からのアプローチも長年、水分補給が基本とされていただけに、科学的な検証により「PICKLE JUICE」などの飲料が一定の評価を得られたことは、新しく、そして明るい話題といえますし、今後の研究の行方に注目しています。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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