[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

今さら聞けない牛乳のメリット・デメリット スポーツドリンクにも負けない効果とは

米スポーツシーンで「チョコレートミルク」が登場するワケ

<2>運動後の疲労回復に有効な炭水化物が豊富

 運動後に起こる筋疲労の原因の一つに、筋肉内のグリコーゲンの枯渇が挙げられます。牛乳に含まれる糖質「乳糖」は、運動後の筋グリコーゲンの回復に有効です。 

 また、糖質はたんぱく質を同時にとると、骨格筋への取り込みが高まり、筋グリコーゲンの回復がより促進されるという報告もあります。さらに、体たんぱく質への合成をバックアップ。筋肉のダメージを抑制します。

 つまり、糖質とたんぱく質、この2つの栄養を同時に摂れる牛乳は、高い機能性を謳うスポーツドリンクやゼリー飲料にも負けない飲み物なのです。

 ちなみに、アメリカのスポーツシーンでは、運動後の疲労回復のための補食として、必ずといってよいほど「チョコレートミルク」が登場します。これは、牛乳にチョコシロップを加えた甘いドリンク。牛乳の良質なタンパク質に、砂糖や水あめからできたチョコシロップを入れることで、炭水化物をさらに強化。素早いリカバリーを狙います。

<3>コップ1杯のカルシウム量は成人の1日の推奨量の1/4~1/3

 カルシウムは日本人に不足しがちな栄養素の一つです。骨の材料となるカルシウムが不足すると骨密度の低下し、疲労骨折、骨粗鬆症の原因になります。年間を通してケガなくプレーするためにも、十分に摂ってほしい栄養素です。

 牛乳コップ1杯に含まれるカルシウム量は220mg。これは、成人男性の1日の推奨量の約1/4、成人女性の約1/3にあたります。しかも、牛乳のカルシウムは小魚や野菜よりも吸収率が高く、効率よく摂ることができます。

<4>体の機能を調節するビタミン、ミネラルをまんべんなく含む

 そのほか牛乳には、エネルギー代謝に欠かせないビタミンB2、動物性食品を控える人に不足しやすいビタミンB12、目の健康を維持するビタミンA、カルシウムの吸収を助けるビタミンDなどが多く含まれます。また、発汗で失われるミネラルもまんべんなく含まれています。

1 2 3

橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA Jleague
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集