「太るから」で量を減らすと危険も 今日からできる「内臓脂肪を減らす3つの食習慣」
「太るから」で下手に食べる量を減らすとリスクも…
3つ目は、魚の油を摂ること。「内臓脂肪対策に油?」と思われるかもしれませんが、魚に含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)という良質の油は、中性脂肪を下げる働きがあります。旬を迎える、イワシやマサバ、サンマ、ブリなどの青魚に多く含まれているので、1日1回、魚介類を食べるようにしたいですね。
ただ、やはり食事だけでなくちょっとした運動も加える方が、効率良く内臓脂肪を燃やせます。運動のエネルギー源は、血液中の糖です。血糖値は食事のたびに上がるので、タイミングとしては、食後に体を動かせたらベスト。例えば、出勤時はなるべく長く歩ける通勤路にする、外で昼食をとったら階段を使ってオフィスのフロアに戻るなど、ちょこちょこと歩く工夫をしてみましょう。
国民健康・栄養調査のエネルギー摂取量の平均値をみると、バブル時代の1990年には1日2026kcalだったものが、2010年以降1849kcalに低下しています。もう少しさかのぼると、1946年の平均値は1903kcal、1950年は2098kcal。なんと私たちのエネルギー摂取量は、栄養状態が悪かった戦後よりも少ないのです。にもかかわらず、肥満や糖尿病などの生活習慣病がなくならない。これはライフスタイルの変化(就寝時間が遅い、夕食の時間が遅い、朝食欠食など)と圧倒的に活動量が少ないためといえます。
太るからといって下手に食べる量を減らすと、今度は栄養不足により代謝が悪くなる恐れがあります。個々に必要な量をしっかり食べて、しっかり動く。そんなライフスタイルにシフトしていかないと、太るだけでなく、健康的に痩せることも難しい時代なのです。
(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)