カロリーだけで大丈夫? 「栄養成分表示」でチェックしたい“もう一つの項目”
忙しく働く大人世代が日常のパフォーマンスを上げる方法を“食”から考える「THE ANSWER」の連載「働く人の食事術」。Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が日々のパフォーマンスを上げる食事術を指南する。 商品を買う時に目にする「栄養成分表示」。健康を考える上でも、しっかりとチェックして選びたいところ。ただ「エネルギー」「たんぱく質」「炭水化物」など書かれているが、いったい、何を重視して見ればいいのか? 橋本氏が解説してくれた。
連載「働く人の食事術」―パッケージ裏の“アレ”はどう見たらいい?
忙しく働く大人世代が日常のパフォーマンスを上げる方法を“食”から考える「THE ANSWER」の連載「働く人の食事術」。Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が日々のパフォーマンスを上げる食事術を指南する。
商品を買う時に目にする「栄養成分表示」。健康を考える上でも、しっかりとチェックして選びたいところ。ただ「エネルギー」「たんぱく質」「炭水化物」など書かれているが、いったい、何を重視して見ればいいのか? 橋本氏が解説してくれた。
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皆さんは、コンビニエンスストアなどで食品を買う際、パッケージに表示されている「栄養成分表示」をチェックしますか? セミナーや講習会などの参加者に伺うと、「カロリー(エネルギー)だけは必ずチェックしている」という方はかなりいます。
栄養成分表示を見る際、カロリーとともにチェックしてほしいのが“脂質”の量です。健康を維持する上で、1日の摂取カロリー(摂取エネルギー量)に占める理想的な脂質の割合は20~30%。少なくとも30%は超えない方がよいとされています。ところが、現在の日本人の食生活の統計によると、成人男性で約30%、成人女性で約40%の人が、30%のラインを超えているのです。
脂質過多の原因は、外食や中食(家庭外で調理された総菜や弁当、レトルト食品など)を食べる機会が増えたことが影響していると考えられます。近年は野菜や肉魚と合わせるだけで味が決まる調味料や鍋の素も人気ですが、これらも意外と脂質を多く含みます。現代の食卓には“目に見えない油”がたっぷり。弁当や総菜、サンドイッチなどを選ぶ時は是非、脂質が何グラム含まれているのかもチェックしてみましょう。
「1日、何グラムの範囲なら摂ってもいいですか?」という質問も多いのですが、適切な脂質量は一人ひとり異なるため、一概には言えません。目安を挙げるとしたら、1食につき成人男性で約25g、成人女性は約18g(※1参照)に抑えるとよいでしょう。