米国代表は1年前から食事プラン準備 東京五輪を戦う選手たちの心癒す「食」の存在
米国代表は1年前から食事プラン準備
日本の選手たちが主食の米の味や炊き方に敏感なように、欧米の選手たちはパンやシリアルにこだわります。気に入ったメーカーのものが手に入らなければ、チームの担当者あるいは各自が持参。パンとともに頂く、ピーナッツバターやベイクドビーンズなども遠征先に「お気に入り」を持っていくチーム・選手が多いようです。
東京五輪では、スポーツ強豪国の一つ、米国代表チームが東京で事前キャンプを行いましたが、その1年前から選手の食事プランを準備。日本側の料理人とも密にコミュニケーションを図り、自国と変わらない食事を提供。アットホームな雰囲気とメニューで、選手たちがリラックスできるよう、食環境を整えました。スポーツ大国がこれだけの時間を費やしたことからも、選手たちにとっていかに食事が大切なのかが推し量れると思います。
コンフォード・フードからはその国の食文化や食の個性をうかがえます。それこそ細かくみていくと、競技種目(特製)の違いや監督、選手の嗜好、食事メニューを作成する栄養士やシェフの考え方までが反映されます。そこで、これまで取材や仕事で接してきた、各国のコンフォード・フードを少しご紹介しましょう。
アイルランドのチームにとって外せないメニューは、じゃがいも料理と朝食のポリッジ。じゃがいも料理はマッシュポテト、ボイルドポテト、ローストポテトなど、毎食、調理方法を変えて選手たちが飽きないようにしています。ポリッジはオートミールをゆでて柔らかくした、日本でいうおかゆのようなもの。水、牛乳、あるいは低脂肪乳で煮て柔らかくしますが、何でゆでるかはチームの嗜好や選手のお好み次第。ともにシンプルな料理ではありますが、こだわりが見られます。
ニュージーランドの選手の食事に欠かせないのは、朝食の「Weet-Bix(ウィートビックス)」。オーストラリアのメーカーの全粒小麦のシリアルですが、ビスケットのように固められているのが特徴。これに牛乳をかけて柔らかくして食べたり、牛乳、バナナと一緒にミキサーにかけて「食べるドリンク」にしたりします。