[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

今、世界のアスリートに広がる植物性食品 栄養面から考えるメリット&デメリットとは

Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「プラントベースド」について。

プラントベースドとはどのような食事なのか
プラントベースドとはどのような食事なのか

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「プラントベースド」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「プラントベースド」について。

 ◇ ◇ ◇

 今、プラントベースドの食事は世界的に増加傾向にあり、世界のアスリートの間でも広がっています。

 プラントベースドの食事とは、植物性の食品を中心とした食事です(※)。人、あるいは団体によって実践の方法や何を食べるかは異なり、少量の動物性食品をよしとする人もいれば、一切摂らない考えの人もいます。また、食材を丸ごと摂らないと必要な栄養素が摂れないという考えから、ホールフーズ(Whole foods)を食べることを重視する考えもあります。

 そして動物愛護や環境保護、信仰する宗教の観点から実践する方もいれば、一般論として肉や卵といった動物性食品よりも植物性のほうが、カロリー、脂質、コレステロールが少ないので健康にいいと考える人まで、プラントベースドの食事を実践する理由も実に多様です。
 
 現在、プラントベースドの食事がアスリートにとって妥当か否かの結論は出ていません。ただし、観察研究及び短期介入研究に基づく最近のレビューによると、最大12週間、ベジタリアン食を非ベジタリアン食の代わりに実践しても、筋力、パワー、パフォーマンスは有利にも不利にもならないことが報告されています。現時点では、ベジタリアンの食事がアスリートのパフォーマンスに与える影響についての研究は数少ないものの、植物性の食事に切り替えたとしても、明らかにパフォーマンスが低下するとも言い切れません。

 恐らく日本人アスリートのなかにも、プラントベースドの食事に興味を持っている方はいると思います。そこで、栄養素の観点からプラントベースドのプラス・マイナス面を考えてみましょう。

1 2 3

橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
ABEMA
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集