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空腹で朝練をすると“危険”である理由 「冬場のコンディション管理」2つのポイント

Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「冬場のコンディション管理」について。

冬場のコンディション管理で大切な2つのポイントとは(画像はイメージです)
冬場のコンディション管理で大切な2つのポイントとは(画像はイメージです)

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「冬場のコンディション管理」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「冬場のコンディション管理」について。

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 今回のテーマは「冬場のコンディション管理」。なかでも、部活動に励む学生や一般のスポーツ愛好家の方に意識してほしい、「脱水の予防」と「体温の維持」、この2つのポイントについてお話しします。

 冬は汗をかいている自覚が薄いため、多くの選手が疎かになりがちなのが水分補給。この「発汗している実感がない」「のどの渇きを感じにくい」ことが、冬に脱水を起こす要因になっています。

 冬は気温こそ低いのですが、空気が乾燥しています。屋外のみならず、暖房器具を使用する屋内もしかり。そのため、皮膚や粘膜、呼気から水分が失われます。また、ウェアを着こんでいるため、熱がこもりやすい。そのため、自覚はなくとも、体内の水分が汗となって排出され、どんどん蒸発していきます。

 さらに、寒さによって利尿作用(寒冷利尿)が起こる点も、冬場に脱水を起こす要因。加えて、ウエアをたくさん着こむとトイレに行くことが面倒に感じることから、水分をあまり摂らないよう制限しがちになります。

 特に、スキーやスノーボードといった雪山のスポーツは、トイレに行きにくいうえ、こまめな水分補給もしにくい環境なので、要注意。加えて、標高の高いところでは呼気によっても多くの水分が失われやすいといわれています。

 水分補給が十分できているかどうかを知るには、練習前後の体重測定が助けになります。寒冷下における脱水は、暑熱下に比べると持久的なパフォーマンスへの影響は少ないと言われていますが、脱水状態が回復されなければコンディションの低下を招く可能性があるため、注意が必要です。練習後、体重が減っているのは体内の水分が失われたため。明らかに体重が減った人は、これまで以上に、こまめな水分補給を心掛けてくださいね。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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