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コーヒー1日何杯が適量? 「カフェイン」を取り入れたいアスリートの正しい摂り方

Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「アスリートのカフェインの摂り方」について。

「アスリートのカフェインの摂り方」について
「アスリートのカフェインの摂り方」について

公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「カフェインの摂り方」

 Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「アスリートのカフェインの摂り方」について。

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 アスリートたちが気になる栄養成分の一つに、カフェインがあります。

 カフェインはコーヒー豆やカカオ豆に含まれる天然成分。人に現れる影響としては、頭がさえる、眠気を覚ます効果が代表的です。

 スポ―ツの世界では、カフェインを摂取すると、神経を鎮静させる作用を持つアデノシンという物質の働きが阻害され、覚醒作用を発揮し、運動中の疲労感が軽減されることで持久力向上に有利に働くと言われています。

 欧米諸国のカフェインとスポーツに関する過去の研究結果によると、持久性スポーツのパフォーマンス向上に有益であると報告されています。そのため、マラソン、自転車など持久性スポーツの人がパフォーマンスの向上を期待して摂り入れています。また、間欠的な動きを繰り返すスポーツ(サッカー、ラグビー、バスケットボール、バレーボール、ホッケー、水泳、テニスなど)では、最大筋力や筋持久力の向上が見られるという報告もあります。

 ただし、カフェインの感受性には個人差があり、反応の強さや出方は人によって異なります。例えば、コーヒーを飲むと「目が覚める」という人がいる一方、めまいがする、心拍数が増加する、不安が強くなる、よく眠れないという反応が出る人もいます。また、コーヒー1杯で、調子が悪くなる人もいれば、10杯飲んでもまったく問題ない人もいます。

 カフェインは基本的には安全な成分ですが、以上のことから、摂り方によってはパフォーマンスが低下する場合もあります。摂り過ぎに注意しながら、個々に合った量とタイミングで摂ることが大切です(※)。

 さて、カフェインの具体的な摂り方についてです。これまで研究やスポーツの現場では、体重1kgあたり5~9mgのカフェインを摂ると、持久力向上に有効とされる一方、副作用のリスクも懸念されていました。しかし、最近の研究では、運動前・運動中・運動後に体重1kgあたり3mg程度のカフェインを摂取しても副作用なく持久力の向上につながることが報告されており、体重1kg当たり3~6mgを運動の60分前に摂取することが推奨されています。

 例えば、50kgの人が体重1kgあたり3mgのカフェインを取るならば、150mg(コーヒー1杯半程度)、体重60kgの人が体重1kgあたり5mgカフェインを取ると300mg(コーヒー3杯程度)という具合です。

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

 ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJリーグ横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けてのスポーツ食講座なども行う。著書に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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