サッカー日本代表はカレーライス 試合に影響する「コンフォート・フード」の大切さ
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「コンフォート・フード」について。
公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏の連載、今回は「コンフォート・フード」
Jリーグやラグビートップリーグをみてきた公認スポーツ栄養士・橋本玲子氏が「THE ANSWER」でお届けする連載。通常は食や栄養に対して敏感な読者向けに、世界のスポーツ界の食や栄養のトレンドなど、第一線で活躍する橋本氏ならではの情報を発信する。今回は「コンフォート・フード」について。
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選手たちは試合、遠征、合宿時は国内外を問わず、普段とは異なる環境で過ごします。慣れない環境下で練習や試合、大会に臨む選手にとって、毎日の食事は楽しみであり、息抜きの一つ。ですから、高たんぱく・低脂肪のアスリート食だけではなく、心の栄養になるような「コンフォード・フード」が欠かせません。
コンフォード・フードとは、食べた人にハッピーな気持ちや、なつかしさ、ほっとする気持ちを与える食べ物を指します。例えば、大好物のメニューや子どもの頃から慣れ親しんだおふくろの味。これらの食べ物には、心のコンディションを整える、モチベーションを上げる、といったパワーがあります。
日本の選手でいうと、例えば「おいしい米」。昔ほどではありませんが、今でも海外遠征先で、日本人が食べ慣れた日本型米が手に入らない場合があります。
私も海外遠征の際には、宿泊先に日本型米をリクエストしたり、必要な場合には米の炊き方を事前にシェフにメールで送るようにしたりしていますが、選手たちはとても敏感です。「日本の米じゃない」「美味しく炊けていない」と、米がないとだんだん食欲が落ちていきます。すると体重が減り、士気も下がり、プレーに悪影響が出ます。
以前、サッカー日本代表の食事メニューに「カレーライス」は欠かせないという話が話題になりましたが、心身の変調に敏感なアスリートだからこそ、「いつもの味」が食べられることは、よいコンディションを保つ上で非常に大切なのです。