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前日本代表HCエディー・ジョーンズ氏が沖縄でスポーツ指導者向け講演会を実施

ラグビーの前日本代表ヘッドコーチ(HC)で現イングランド代表のエディー・ジョーンズHCが1日、沖縄・名護市内で行われたスポーツ指導者向け講演会を開催。15年ワールドカップ(W杯)で日本代表を歴史的3勝に導いた世界的名将は、県内のスポーツ指導者を中心とした約80人に対し、「指導者に最も重要なスキル」など、自身の指導哲学を存分に語り尽くした。

沖縄・名護市内で行われたスポーツ指導者向け講演会で“指導の心得”を説いたエディー・ジョーンズ氏【写真:松橋晶子】
沖縄・名護市内で行われたスポーツ指導者向け講演会で“指導の心得”を説いたエディー・ジョーンズ氏【写真:松橋晶子】

エディーHCが説く、指導者の「観察力」を上げる方法

 ラグビーの前日本代表ヘッドコーチ(HC)で現イングランド代表のエディー・ジョーンズHCが1日、沖縄・名護市内で行われたスポーツ指導者向け講演会を開催。15年ワールドカップ(W杯)で日本代表を歴史的3勝に導いた世界的名将は、県内のスポーツ指導者を中心とした約80人に対し、「指導者に最も重要なスキル」など、自身の指導哲学を存分に語り尽くした。

 この日は「もっとドキドキしよう、ニッポン。GROWING教室 by スポーツくじ(toto・BIG)」と題し、前日(30日)のラグビー教室に続き、スポーツ指導者向け講演会を実施。沖縄県内のラグビー関係者はもちろん、教育関係者、スポーツ指導者、現役高校生など約80人が参加し、教え子で11年W杯日本代表主将の菊谷崇氏とともに“指導の心得”を説いた。

 若い世代の指導のポイントについては「基本を教えることが重要だ。最もラグビーで重要なことは基本を繰り返すこと。それができて初めてチームプレーが分かる」と力説。前日のラグビー教室で高校生の声が出ていないと「今からスマートフォンを取ってきて、ここでメッセージを送り合いたいのか?」とハッパをかけていた指揮官は「今、若い世代はコミュニケーションが取れなくなっている。お互いに意味のある声をかけ、意思疎通を図り、助け合うことが重要だ」などと訴えた。

 約50分間の講演後には質疑応答が行われ、世界的名将の教えを乞い、参加者から活発に質問が飛んだ。「練習中にどんな視点を持って選手の動きを見るべきか」という問いに対し、ジョーンズ氏は「指導者に最も重要なスキルは観察力。そのスキルを向上させるために重要になるのはプランニングだ」と話し、さらにこう続けた。

エディー・ジョーンズHCは教え子で11年W杯日本代表主将の菊谷崇氏とともに講演した【写真:松橋晶子】
エディー・ジョーンズHCは教え子で11年W杯日本代表主将の菊谷崇氏とともに講演した【写真:松橋晶子】

「30%」は失敗でいい、「学びのある練習」の作り方とは?

「トレーニングの計画を練る時には、どのセッションでも目的がないといけない。そこで何を達成したいかを明確にしておくこと。達成したいことの70%成功するくらいでちょうどいい。30%は失敗できるメニューだ。70%以上成功できるメニューでは簡単すぎるし、30%以上失敗は難しすぎるということ。今、あなたに『3×3は何?』という質問をしても、すぐに答えられるから何も学べない。練習でも同じように何かを繰り返し、完璧にこなせるようになってしまったら、選手たちも学びはなくなってしまう。
『1万×1億』くらいだったらすぐには答えられないでしょう? そういう風に少しずつ、課題を難しくしていく。バレーボールを6人対4人でやってみたら、どうなるか。6人はアタックの練習になり、4人は少ない人数でどれだけディフェンスできるかという練習になる。2015年のW杯へ向けた日本代表の練習では、フィールドの幅を通常の70メートルから80メートルにした。スペースを使ってのスキルを上げたかったから。すると、再び70メートルでプレーした時に居心地がいいくらいになっていた。そんな風に課題を常に与えることが大事だ」

 数々の名選手を育て上げ、世界を勝ち抜いてきたジョーンズ氏らしい言葉に参加者も唸るように頷いていた。台風7号が接近する中、開催が危ぶまれながら実現した夢のような1時間半。沖縄の地に残した“エディーの言葉”は、かけがえのないものとなった。

(THE ANSWER編集部)

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