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ドラマ「オールドルーキー」出演の元Jリーガー 引退→転職を経たリアルな会社員生活

ラインメール青森FC時代の伊藤さん。引退後は機械部品の製造企業に就職するも、サッカーへの情熱は消えなかった【写真:本人提供】
ラインメール青森FC時代の伊藤さん。引退後は機械部品の製造企業に就職するも、サッカーへの情熱は消えなかった【写真:本人提供】

一度は別の企業に転職、辛かったのは「電話対応」

 30歳を超えてからは毎年将来への不安が増幅していく中にあった。現役ラストイヤーはチームの活動時間の合間を縫って、社会人の先輩や関係者から就職に関する情報を聞きまわっていた。精力的な行動は実を結び、引退前に複数社から内定を得ることができた。

「一度サッカーから離れたい」との思いもあり、セカンドキャリアとして最初に選んだのは機械部品の製造企業での営業職。2019年2月からスタートを切ったが、サッカーしか知らない自分を思い知らされた。

「特に電話対応が辛かったですね。パソコン作業は動画を作っていたりしましたし、困ることはありませんでしたが……下っ端なので電話に出てはみるものの、受話器の向こうから専門用語がバーッと流れてきて、何を言っているのか全く分かりませんでした(笑)。

 必死にメモをするんですけど追いつけず、かけ直させてもらうことも何度もありました。最後は問題なく対応できるようになりましたが、電話だけは毎日冷や汗でした」

 精神的に辛い日もあったが、ピッチとは違う新鮮な経験を積み、社会人として間違いなく成長できていた。ただ、時間の経過とともに心の中で「サッカー」への思いが再燃してきていた。

「気持ちに嘘をついてまでサッカーと全く関係ない仕事をするより、活躍できる場所で働きたい」

 引退後も母校・早大でコーチングスタッフをするなど、サッカーとの関りを持ち続けていた伊藤さんは、いつしか再び転職を志すようになっていた。昨年、ふとインターネット上の情報を眺めていた頃、たまたま目に入ったのがドーム社の求人だった。

 アンダーアーマーのサッカー領域を担当できる業務内容。運命めいたものを感じた。迷わず応募し、周囲の助けも借りながら、選考を通過。昨年8月からの入社となり、現在はJ2大宮アルディージャと、高校サッカーの強豪・青森山田高の担当を務めている。

「自分が関わってきたサッカーで一つのチームに携わり、選手をサポートできるのは魅力ある仕事。前職でもとても貴重な経験をさせていただきましたが、今は自分が持っている知識や経験が少なからず活かせられていると感じています。会社の中で、サッカーを他の競技に負けないくらいの分野にしていければ」

 まもなく入社から1年。サッカー領域でブランドの認知を拡大していくことが、最大の課題だ。「情報収集力と提案力を磨いていかないと。今のままだと実務だけ、誰がやっても同じになってしまう」。今回ドラマのエキストラ出演を通じ、伊藤さん自身のキャリアを伝えることで「サッカー×アンダーアーマー」も発信できると期待している。

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