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バスケ界の“リアル・宮城リョータ”が渡米へ スラムダンクの経歴辿る日本一高校PGがNCAA強豪目指す

沖縄県立石川高校の女子バスケ部監督である父・秀勝さん(左)と崎濱【写真:長嶺真輝】
沖縄県立石川高校の女子バスケ部監督である父・秀勝さん(左)と崎濱【写真:長嶺真輝】

独学とチームメートの留学生との会話で“英語脳”に

 進学先を決める経緯や技術を伸ばす過程からは、自らが定めた目標を達成するためにはどういう準備をして、どんな段階を踏めばいいかを長期視点で導き出す優れた“思考力”、一つ一つの事をやり通す“徹底力”が垣間見える。

 小さい頃から「どれだけ真剣かが大事。適当にやるんだったらやるな」「やるんだったらとことん追究しろ」という方針で接してきたという秀勝さんは、たくましく育った息子をこう評する。

「彼は一度習った事に対しては習得するまでやり切る習慣があります。本格的に始めた小学校4、5年くらいの頃から、自分で練習するためにバスケゴールのある近所の公園に行って数時間帰ってこないということもありました。やると決めたら、できるようになるまで止めない。信念がある」

 当然だが、この習慣はバスケのスキル向上だけに生かされているわけではない。

 中学3年で留学を意識し始めると同時に着手した英語の習得は、その例の一つだ。現地で日常生活を送るためにはもちろんのこと、チームをコントロールするガードにとって他の選手とのコミュニケーションは不可欠だ。コーチからの指導を理解する上でも語学力は絶対条件となるため、すぐにオンラインの英会話レッスンに申し込み、トレーニングの合間を縫って勉強を始めた。

「それまで全然英語に興味がなかったので、初めはとにかく単語を覚えました。あとはオンラインでネイティブの人とかと話す。それしかやっていないです。すごい教えてもらったというより、ほぼ独学。高校1年の頃には“英語脳”になってきた実感がありました」

 英語脳とは、リスニングした言葉を日本語に変換せず、英語で理解してそのまま会話ができる脳の状態を示す。高校生活では午前6時前には体育館に着いて朝練を始め、放課後も練習をこなすバスケ漬けの日々を送っていたが、その合間を縫って英語に触れる時間を欠かさずつくっていった。

 高校2年時には英国から留学生が入部し、「ずっと一緒にいて英語を教えてもらっていました。とても楽しかったです。(英語を習得する上では)それが一番大きかったかもしれません」と振り返る。今では日常会話は全く問題がないレベルだ。実際、昨夏に米国のクラブチームの組織であるAAUのトーナメントに参加した際も、現地の選手たちとのコミュニケーションに困ることはなかったという。

 高校バスケを引退し、地元沖縄で留学に向けた準備をしている間も、平日は1日6時間以上を英語の勉強に充ててきた。チームメートやコーチとの信頼関係が築ければ、自身のスキルやリーダーシップの成長曲線が大きくなることは間違いない。中学3年から4年越しで積み上げてきた準備は、海外挑戦におけるスタートラインをより前に押し出した。

 渡米を目前にした準備期間では体づくりにも気を配り、AAUトーナメントの際に「ミスマッチになった時、体の強さの違いを痛感した」と、食べる量を増やして体重アップに取り組んできた。ウインターカップの時点では体重が77kgだったが、現在は83kgほど。3月に入ってからは筋力トレーニングに注力し始め、特に下半身を鍛えながら85kgまで増やすつもりだという。

「最近はデニス・シュルーダー選手(NBAブルックリン・ネッツ)の1対1の仕方や、河村勇輝選手の足の使い方、プルアップシュートのタイミングなど、ずっと研究をしています」と、スキルの向上にも余念がない。

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