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ドラフト578位から始まるMLBの現実 最低年俸57万円、トイレ掃除・芝刈りで食い繋ぎ…メジャーリーガーの過酷な下積み時代

副業しながら夢を追う選手たちへエール「未来に目を向けるんだ」

 翌2019年8月に待望の昇格を果たし、メジャーデビュー。26試合で打率.293、OPS.814という成績を残した。新型コロナ禍で短縮シーズンだった2020年は7試合の出場にとどまったが、2021年は111試合で20本塁打と打棒を発揮。そこから4年連続で2桁本塁打を放っている。地位を確立するまでの過酷な下積み時代、野球の道を諦めそうになったことはなかったか。ブラウンの答えは「No」だった。

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「誰かに『もう終わりだ』と言われない限り、諦めずやり続けるのが僕の信念。ストレスを抱えても筋トレすればどこかに消えて、何だって取り組めた。ウェートトレーニングが僕にとって大きなストレス発散法なんだ。あとは常にポジティブな考え方をすること。3Aでさえ、そこでプレーしたと言える人は多くない。ほとんどの人がやりたくてもできないことを僕はやっていると心に留めていた」

 日本でもスポーツで大金を手に入れられるアスリートは一握り。独立リーグなどで夢を追いかけつつ、生計を立てるために副業に勤しむ人も少なくない。「夢があるなら、成し遂げたいことがあるなら、そのためにできることは何だってしなくちゃいけない」。茨の道を身をもって知る苦労人は、かつての自分と同じような立場にいる人たちにエールを送った。

「毎分毎分が嫌になるほどつらいかもしれない。でも、それは永遠には続かない。未来に目を向けるんだ。人生でやりたいことは何か。僕の場合は、学業を終わらせ、出来る限り長くプレーし続けたかった。今もそれが出来ているのは幸運なことだ。自分がやるべきことをやること。しんどくても、それは永遠には続かないから」

 諦めなければ夢は叶う、というほど甘い世界ではない。ただ、諦めた瞬間に道は途絶える。華やかな舞台に上がるためには「夢のためなら何だってする」という泥臭い気概が必要だとブラウンは教えてくれた。

(THE ANSWER編集部・鉾久 真大 / Masahiro Muku)

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