サラリーマン生活も経験 飛び込みのレジェンド・寺内健の「今までで一番大きな選択」
進路に悩む子どもたちに… 「自分の気持ちに正直になるのがいい」
一度はサラリーマンになった寺内だったが、2年後の2011年に現役復帰。この時に下した決断が「今までで一番大きな選択だった」と振り返る。
「サラリーマン経験を積む中で、いろいろな役割を担わせていただいた。そこで、競技に戻りたいと言っていいのか……。すごく自分の中で葛藤があり、何か月も考えましたね」
この時、カギの一つとなったのは「オリンピックでメダルを獲りたい」という想いだった。
「今、できることは何か。今、自分が目指したいものは何か。そう考えた時に、オリンピックでメダルを目指せるのは今しかないと思って、競技に復帰する決意をしました」
周囲にも相談し、自分でも考えに考え抜いた末の決断だった。だが、最後の決め手となったのは「自分の気持ちに正直になる」ことだった。進路に悩む子どもたちにも「正直」であることを勧めたいという。
「周りの方のサポートがあって、競技生活も日々の生活も送れる。もちろん、相談する中でいろいろなアドバイスをいただきました。でも、結局は自分の気持ちにちゃんと正直に決断する、そこしかないと思います。周囲に感謝しつつ、最終的に自分が納得する結果を求めるなら、自分の気持ちに正直になるのがいいと思います」
自分の気持ちに正直になり、現役復帰を果たしてから10年目を迎える2021年。自分が納得する結果を得るために、40歳・寺内は飛び込み板の上で渾身の踏切を果たす。
(THE ANSWER編集部・佐藤 直子 / Naoko Sato)