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25歳で戦力外、球団残留を断って 元DeNAドラ2“社長”の運命を変えた出会い

高森氏との出会いが水野さんに大きな影響を与えた(支援を受けているfreee株式会社で撮影)【写真:宮内宏哉】
高森氏との出会いが水野さんに大きな影響を与えた(支援を受けているfreee株式会社で撮影)【写真:宮内宏哉】

進路に影響与えた高森氏との出会い「自分の力で社会に貢献できるのはいい」

 ただ、迷いもあった。「自分で何をやろうか、毎晩毎晩……。夜、考えちゃうタイプなので」。第2の人生を模索する時間が続いた。調べすぎて眠れない日もあった。ほかにはどんな選択肢があるのだろうか。他にも話を聞いてみたい気持ちが高まり、球団への返事は保留した。

 9月中旬、1人の男との出会いが進路に大きな影響を与えた。高森勇旗氏。2006年高校生ドラフト4巡目で横浜に入団。2012年限りで退団し、社会人野球を経て現在は自身が設立した会社を経営している。2017年には著書「俺たちの『戦力外通告』」が話題を呼ぶなど、多方面で活躍中だ。高森氏にはチームメートを通じて連絡。元DeNAで現在は外資系企業に勤める松下一郎氏も同席し、代官山で2時間ほど会食した。目からウロコの話ばかりだった。

 引退後、「すぐに他の仕事に就かなければ」と焦りに駆られる選手は多い。水野さんもそうだった。「2~3年くらい普通に暮らせる時間やお金があるなら、その間にいろいろな経験をしてみるのもいいのではないか」。高森氏の言葉で、先走っていた心が落ち着いた。引退間近に考えていたこと、起業の話。聞いたことを忘れたくなかった。帰りの電車内、メモ帳を取り出して内容を書き殴った。メモは今でも、大切に保管しているという。

 その後も他の経営者などから情報を集めた。「(経営者は)率直にかっこいいなと思いましたし、自分の力で社会に貢献できるのはすごくいいなと思った」。球団には感謝しながらも、断りの連絡を入れた。

 11月にはプロ野球選手会が引退選手を対象に実施した、セカンドキャリアに関するセミナーに参加した。元阪神投手で、現在は公認会計士として活動する奥村武博氏に、以前から考えていたクラウドファウンディングの事業構想について相談。会計ソフトのサービスなどで知られるfreee株式会社からも支援を受けて“社長転身”が実現した。セミナーには現役続行を諦めた8人しか参加者がいなかったが、ここで現在も支えてくれる多くの人脈を作ることができた。

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