なでしこ主将・熊谷紗希、世界と戦う上で「絶対に捨てない」と誓った自分の強みとは
19年ワールドカップに向けて…「日本の選手は世界で戦えることを示したい」
なでしこジャパンは7月下旬から8月上旬にかけて行われた「2017 Tournament of Nations」(日本、オーストラリア、アメリカ、ブラジルが参加)で、4か国中3位という結果に終わった。大会前、「チームは今、すごくポジティブに前進している」と語っていた熊谷は、「負けてもいい試合なんてない」としつつも、「チームとしての経験値を積み、じっくりと土台作りをするチャンス」とも話している。
「女子サッカーの今後のためにも、日本代表はもっと多くの人に観てもらえるようにならなければいけません。そのためにはやはり試合に勝つこと、強いチームであることはもちろん重要です。でも、今年は大きな大会がない分、チームとしての経験値を積み、じっくり土台作りをするチャンス。今のなでしこジャパンには、失うものはなにもありません」
では、熊谷が今描く、なでしこジャパンのビジョンとは――。
「常にチャレンジャーの気持ちで取り組むこと。来年4月のアジアカップをいい形で予選突破し、(2019年の)ワールドカップにつなげていく。何よりも、日本の選手は世界で戦えることを、代表で、クラブチームで、世界に示していきたいです」
海外で日本人選手のプライドを示しながら、なでしこジャパンのキャプテンという重責も背負う熊谷の視線は、前だけを見つめている。
◇熊谷紗希(くまがい・さき)
1990年10⽉17⽇、北海道生まれ。26歳。身長171cm・体重59kg、ポジションはディフェンダー。常盤木学園高から浦和レッズレディースに入団。2011年から活躍の場をドイツに移し、フランクフルトでプレー。13年には現所属であるフランスのオリンピック・リヨンに移籍。2015-2016シーズンには、リーグ戦、国内カップ戦、欧州チャンピオンズリーグの三冠を達成した。なでしこジャパンでは通算88試合に出場、現在はキャプテンを務めている。
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長島恭子●文 text by Kyoko Nagashima