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なでしこ主将・熊谷紗希、世界と戦う上で「絶対に捨てない」と誓った自分の強みとは

当初は微妙な「感覚の違い」に戸惑いも、言葉の上達とともにサッカーも軌道に乗る

 そして、ワールドカップ終了後の2011年7月にドイツへと渡った。

 熊谷は「みんな、ウェルカムな雰囲気で受け入れてくれ、厳しい洗礼みたいなものはなかったです(笑)」とフランクフルト加入当時のことを振り返るが、言葉の上達とともに信頼も得られ、サッカーも上手くいき始めたという。

「難しかったのは、微妙な感覚の違いです。サッカーを始めた頃から積み上げてきたものとはいえ、ボールを受ける間合い一つから異なり、移籍当初は機能しない場面が多かった。例えば、自分としてはベストのポジションでボールを要求しても、チームメイトからは“近すぎる”と言われ、(ボールが)出てこない。連携がスムーズにいくまでは時間がかかりました」

 そして、フランクフルトで2年間プレーした後、現在所属するオリンピック・リヨンに移籍。2006年からリーグ11連覇と爆走するチームで、熊谷はUEFA女子チャンピオンズリーグ連覇(15-16、16-17シーズン)にも貢献している。

「リヨンの選手は全員の自己主張が激しくて、移籍したばかりの頃はカルチャーショックを受けましたね(笑)。リヨンでの自分はサッカーでも日常生活でも“バランサー”。誰とでも仲がいいし、どこのグループにも属せる。裏を返せば、私はサッカーさえできれば、あとはなんでもいいんです(笑)」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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