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「イップス」に悩んだ球児を変えた成功体験 内気な少年がボルトに学ぶようになるまで

「不可能」の声をはねのけてボルトと練習し、26歳で100m10秒台に突入

 ボルトが所属するクラブに飛び込むのも、ボルトと一緒にトレーニングをするのも、26歳で100メートルを10秒台で走るのも、すべて「不可能」の声をはねのけて実現してきた。

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「だから最近は僕が無茶なことを言い出しても、アイツならやるんじゃないか、と見られるようになってきました」

 和田の次の挑戦は、速く走れるメソッドを広め、日本のスポーツ界を変革していくことだ。

「ジャマイカから帰国して、さらに僕も速く走るための理論を簡略化して来ました。余計な部分を削ぎ落し、今の理論なら最短時間でスプリントテクニックを身に着けることができるはずです」

 特にプロまで上り詰めたアスリートなら身体能力が低いはずはない。誰でも「駿足」と呼ばれるレベルまでは到達できると、和田は確信している。

(最終回へ続く)

[プロフィール]
和田賢一(わだ・けんいち)

1987年12月8日生まれ。日本のビーチフラッグス第一人者でビーチフラッグス全日本選手権3連覇、世界最高峰の全豪準優勝。走力を磨くために単身ジャマイカに乗り込み、3カ月間ウサイン・ボルトとともにトレーニングを積み、100メートルのベストを一気に1秒更新。誰でも速く走れる「走り革命理論」を確立し、トップアスリートをはじめ日本中へと広め、走ることの成功体験を通じ、子供が夢に向かって一歩を踏み出す勇気を届ける講演を行っている。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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