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サッカーを続けるために― なでしこ主将・熊谷紗希が“壁”を乗り越えられた理由

安藤との出会いで新たな練習メニューを導入…明らかに表れた体の変化

 それでも高校3年間、熊谷は成績を落とさなかった。

「中学時代、部活と社会人チームでサッカーを続ける生活を送っていたので、時間を上手く使う術を身につけていたと思います。でも、欠席した授業のノートをとってくれた友達の協力が何よりも大きい。本当に感謝しています」

 高校2年生で女子日本代表に選出された熊谷は、卒業後、浦和レッズレディースに入団。同時に筑波大へ進学し、両親との約束も果たした。

「筑波への進学を決めたのは、代表合宿で一緒になった安藤梢さん(浦和レッズレディース)がきっかけでした。安藤さんは代表の中でも、フィジカルの強さが抜きんでていた。話を聞くと、通っている筑波大のトレーニングの施設や環境が素晴らしく、大学生になってからも力が伸び続けている、と。その言葉で、自分も同じところでトレーニングを積みたいと思い、受験を決めました」

 大学進学後は安藤に倣い、ウエイトトレーニングを開始。陸上の先生に走り方を学び、自分の動きをビデオで研究するなど、積極的に新しいメニューを取り入れるうちに、明らかな体の変化を感じたという。

「例えば出足のスピードが早くなるなど、動きが良くなっていると実感しました。浦和での1年目のシーズンで優勝した時は、安藤さんと続けてきたトレーニングの成果が成績にも表れた気がして、すごく嬉しかったです。浦和の後に移籍した1.FFCフランクフルトでも、筑波での経験が自信につながりました。フランクフルトではウエイトトレーニングの時間が確保されていて、選手たちもみんな取り組んでいましたから」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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