リレー日本は「2019年に金もある」 専門家が見た可能性「考え方の基準が壊れた」
陸上の世界選手権(ロンドン)は12日、男子400メートルリレー決勝が行われ、38秒04の3位(多田修平、飯塚翔太、桐生祥秀、藤光謙司)に入り、銅メダルを獲得した。昨年のリオデジャネイロ五輪の銀メダルに続き、世界選手権では初の表彰台。予選6位でベストメンバーを欠きながら躍進した理由について、専門家は「バトンパスの修正と応用」を挙げ、「2年後に金メダルもある」と19年大会でのアジア勢初の快挙の可能性を分析した。
400mリレー予選6位から「バトンの修正と応用」で銅メダル…19年大会でアジア初の快挙も
陸上の世界選手権(ロンドン)は12日、男子400メートルリレー決勝が行われ、38秒04の3位(多田修平、飯塚翔太、桐生祥秀、藤光謙司)に入り、銅メダルを獲得した。昨年のリオデジャネイロ五輪の銀メダルに続き、世界選手権では初の表彰台。予選6位でベストメンバーを欠きながら躍進した理由について、専門家は「バトンパスの修正と応用」を挙げ、「2年後に金メダルもある」と19年大会でのアジア勢初の快挙の可能性を分析した。
「日本チームがリレーに向けて準備してきたものがよく表れたレースだったと思います」
そう話したのは、アテネ五輪1600メートルリレー代表でスプリント指導のプロ組織「0.01」を主催する伊藤友広氏だ。日本は予選6位通過。「正直、メダルは厳しいのではないか」とみていたという。しかし、イギリス、アメリカに続く3位に入れた理由は何なのか。
伊藤氏はある数字に着目した。
「予選から決勝でタイムを上げたのは、上位の3チームだけでした。予選の結果を見るとフランスがターゲットになるとみていましたが、桐生選手は予選から引き続き、良い調子だったし、多田選手、飯塚選手は予選よりさらに良い走りをしていたと思います」
実際、決勝でタイムを詰めたのは、イギリス(37秒76→37秒47)、アメリカ(37秒70→37秒52)と日本(38秒21→38秒04)の3チームのみ。しかも、強豪国は予選で控えメンバーを起用し、決勝で1軍メンバーを投入することはあるが、日本は反対にケンブリッジ飛鳥から自己ベストで劣る藤光を起用した。にもかかわらず、0秒17上げている。
「理由としては、やはりバトンパスです。予選では詰まっていたものが、ほぼ完璧でした。予選の走りを見てメンバーを代えたスタッフの思い切った采配も大きかった。さらに、バトンを渡す距離を予選から広くしていたように見えました。それも含め、選手と総合力で勝ち取ったメダルだと思います」