「人間・萩野公介」の問われる真価 北島康介が辿った「選ばれしエースの宿命」
水泳の世界選手権(ブダペスト)は明日23日に競泳が開幕する。自国開催の20年東京五輪へ向け、メダルラッシュが期待される日本で最大の注目が集まるのは、萩野公介(ブリヂストン)だ。リオデジャネイロ五輪の400メートル個人メドレーで金メダルを獲得。日本選手団のエースとして、どう挑むべきなのか。
【短期連載第3回】元五輪代表・伊藤華英さんが語る競泳の「チーム」と「エース」論
水泳の世界選手権(ブダペスト)は明日23日に競泳が開幕する。自国開催の20年東京五輪へ向け、メダルラッシュが期待される日本で最大の注目が集まるのは、萩野公介(ブリヂストン)だ。リオデジャネイロ五輪の400メートル個人メドレーで金メダルを獲得。日本選手団のエースとして、どう挑むべきなのか。
「今回は萩野公介自体の真価が問われる大会になると思います」
こう話したのは、北京五輪、ロンドン五輪代表の伊藤華英氏だ。果たして「萩野公介の真価」とは何なのか。
「『選手、萩野公介』ではなく、『人間、萩野公介』についてです。彼は今、キャリアが急激に上り調子で、五輪で金メダルも獲った。選手としては間違いなく素晴らしい。しかし、これから日本競泳界を引っ張っていく立場として、彼にもっと自覚を持ってやっていってもらいたい。周りにはそういう期待があるから、当然、高いレベルで評価がされます」
伊藤氏は「かわいそうだけど」と話した上で「彼には選ばれし者の宿命がある」と語った。
競泳界で押しも押されもせぬトップ選手だからこそ、自身の結果はもちろん、エースとしてチームを牽引する役割が期待される。実際に伊藤氏も現役時代、日本競泳界のエースたるべき選手がいたという。北島康介だ。