練習1日10時間、寝る前に餅5個、水中で骨折… 過酷すぎるシンクロ選手のウラ事情
連日、水泳の世界選手権(ブダペスト)で熱戦が繰り広げられているシンクロナイズドスイミング。プールを華麗に彩る競技として、五輪や世界選手権では華やかな脚光を浴びるが、普段、選手たちがどんな練習に取り組み、どんな苦労を重ねているのか、見えにくい部分もある。シンクロ選手の裏側を、08年北京五輪代表で5位入賞した青木愛氏に聞いた。
【短期連載第4回】「過酷さはNO1」…元五輪代表・青木愛さんが語る“本当のシンクロ選手”
連日、水泳の世界選手権(ブダペスト)で熱戦が繰り広げられているシンクロナイズドスイミング。プールを華麗に彩る競技として、五輪や世界選手権では華やかな脚光を浴びるが、普段、選手たちがどんな練習に取り組み、どんな苦労を重ねているのか、見えにくい部分もある。シンクロ選手の裏側を、08年北京五輪代表で5位入賞した青木愛氏に聞いた。
シンクロといえば、演技時間はわずか数分。しかし、数分のために捧げている「1日10時間以上」とも言われる練習量は、五輪種目でもトップクラスだ。
「そのくらい練習しないと戦えないですし、どの国もそのくらい練習していると思います。8人で演技を合わせるとなると、身長も違うし、癖も違う。合わせることが大前提となる競技ですので、必然的に練習時間は長くなりますね。それぞれ競技ごとに過酷さはあると思いますが、練習時間とハードさはどの競技にも負けてないです。そもそも、息ができませんから(笑)」
酷使するのは手、足を含め、全身。さらに常に動きを合わせるため、脳も使う。「常にぐったり。寝て起きても疲れが取れない」という。
練習は水中にとどまらない。心肺機能を鍛えるため、陸上でもハードに追い込んでいる。
「基本的には、まずは泳ぎ込みをします。そこから、通し練習では試合で実際にやるプログラムを、重りを着けて3~5回泳いだり。陸上ではウェイトレーニングはもちろん、マスクをつけてバイクをこいだり、高地トレーニングをしたり……。とにかくハードです」
尋常ではない練習量を支えるのは、尋常ではない食事量だ。