「努力の分だけ花が咲く」― なでしこジャパン躍進の鍵を握る22歳・清水梨紗の想い
「普通に、シンプルにすごくサッカーが好きで楽しい」
幼い頃からサッカー漬けの毎日を過ごしているが、「友達と遊ぶことも楽しみではありますけど、それよりもサッカーが勝った。あんまり羨ましいと思ったことはないんです」という。「普通に、シンプルにすごくサッカーが好きで楽しい」とニッコリ微笑む笑顔の下には、「もっと上手くなりたい」という気持ちが常にある。
最近では、国内外問わず男子サッカーも見る機会が増え、「いろんなサッカーに触れる楽しさを、また知りました」と声を弾ませる。「キック力とかスピード感は真似できないと思うんですけど、ポジショニングだったり狙っているところの意識は自分にも取り入れられると思うので、そういう部分をお手本にしています」。各国代表がチームのキープレーヤーを置くサイドのポジションで競り負けないように、学ぶ姿勢は貪欲だ。
だが、清水にとって最高のお手本は、身近にいる。それはベレーザのDF有吉佐織だ。2015年のW杯カナダ大会で準優勝メンバーとなった先輩から、数多くのことを学んでいる。
「同じサイドバックで、ものすごく目標にしている選手は有吉さん。今、一緒にサッカーができていて、本当に学ぶことが多いんです。サッカー選手としてだけではなく、人間性にも憧れるお手本です」
なでしこジャパンは、直近のW杯2大会で優勝(2011年ドイツ大会)、準優勝(2015年カナダ大会)と素晴らしい活躍を見せ、日本で女子サッカーの熱を上げた。清水も、そんな先輩たちの姿に憧れ、サッカーへの思いを一層強くした一人だ。そして今回、初出場するフランス大会では、自身がサッカー少女に夢を与え、憧れられる活躍を見せたいと思っている。
開幕前、目標は優勝かと問われると、力強く「はい!」と答えた。「MVPも?」と畳みかけられると、目を輝かせて言った。
「格好いいですね。サイドバックでMVPって(笑)」
相手の攻撃を封じながら、味方が攻め込む起点となるサイドバック。フル出場した初戦のアルゼンチン戦は1-1の引き分けで勝ち点1にとどまったが、次戦はスコットランド戦、MVP級の働きで日本を沸かせてほしい。
(THE ANSWER編集部)