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球数制限は必要? 野球界議論に当事者だったアマ選手は何を願う 今、本音で語ろう

アマチュア球界で異端の道を歩んだ2人の男がいる。内田聖人と谷田成吾。内田は早実、早大で甲子園出場、大学日本一、谷田は慶応から慶大で世代別日本代表など、輝かしい実績を持つ。社会人野球の名門・JX-ENEOSではチームメートとして都市対抗出場を目指し、汗を流した。そんな2人は昨年から今年にかけ、人生をかけたチャレンジに挑み、大きなターニングポイントを迎えた。

球数制限の是非について語った谷田成吾(左)と内田聖人【写真:編集部】
球数制限の是非について語った谷田成吾(左)と内田聖人【写真:編集部】

「内田聖人&谷田成吾対談最終回」―野球界議論、意外と少ないアマ選手側の声

 アマチュア球界で異端の道を歩んだ2人の男がいる。内田聖人と谷田成吾。内田は早実、早大で甲子園出場、大学日本一、谷田は慶応から慶大で世代別日本代表など、輝かしい実績を持つ。社会人野球の名門・JX-ENEOSではチームメートとして都市対抗出場を目指し、汗を流した。そんな2人は昨年から今年にかけ、人生をかけたチャレンジに挑み、大きなターニングポイントを迎えた。

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【第1回】なぜ、大企業を辞めて米国へ 異端のアマ選手2人が「もったいない」と言われた選択

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【第4回】早慶戦は格別?やっぱり就職に強い? OB2人の本音「早慶の体育会」で良かったこと

【第5回】「○○2世」報道の善し悪し 「佑ちゃん2世」と「由伸2世」と呼ばれた男たちの本音

 内田は故障の影響で17年限りで社会人を戦力外になって以降、野球の道を捨てず、天然ガスの営業マンとして社業に勤しむ一方、個人でトレーニングに励んだ。結果、自身でも驚くような復調を遂げ、今年2月から1か月、米国に渡り、トライアウトに挑戦。米強豪独立リーグと契約を勝ち取り、会社を退社して今月から米国に渡る。最大の目標は、MLBもしくはNPBで成り上がることだ。

「由伸2世」の異名で知られた谷田は昨年3月にJX-ENEOSを退社。MLBトライアウトに挑戦し、複数のメジャー球団から声がかかり、テストを受けた。惜しくも契約はならなかったが、以降は日本で四国IL徳島でプレー。NPBドラフトを目指したが、指名は叶わず。25歳で潔く現役引退を決断。今年1月から六本木のIT企業に入社し、ビジネスの世界で成功を目指して第二の人生をスタートさせた。

 そんな2人がこのほど対談。最終回となる第6回のテーマは「昨今の野球界議論」。近年はDeNA筒香嘉智の提言を皮切りに指導者からも活発な議論が起こっているが、当のアマ球界でプレーしていた選手側の声が聞かれる機会は意外と少ないのが現実だ。そこで中学から社会人まで第一線で活躍した2人にアマ球界、将来の野球界について率直な思いを語り、本音を互いに明かしてくれた。

 ◇ ◇ ◇

――現在、野球界では球数制限、勝利至上主義といった議論が起こっている。中学シニア時代から高校、大学、社会人までアマチュア球界のトップを走って来た立場として、どんなことを感じているか。

内田「部活も教育の一環なのでチームワークを学びながら、全員で勝つという風潮は仕方ない。ただ、球数制限に関しては投手が潰れてしまう危険の一方で、野球人生のゴールが甲子園優勝という人もいる。そうなると、肩肘が壊れても球数制限によって求めるものを奪う可能性があるから可哀想に思う。自分はプロ野球選手を目指していたから、球数制限があった方がいいと思っているけど、凄く難しい部分だと感じる」

谷田「自分自身も答えはなく、今は感覚的にどっちサイドにも寄れていない。ただ、発言する人が増えてきたのは凄く大事。いろんな考えがあることを発信していこうという世の中になってきている。それをもとにいずれ何かが決まったり、確実にどちらにならなくても意識を持った監督が増えたりすると思う。ルールで決めなくても監督が『うちのこういう野球部だから、この球数で投手を代えます』というものを示せれば、部活に入る子も選べる。どちらが正しいということはないと思う。ただ、いろんな情報発信はもちろん、指導者が自分のポリシーを持って判断することの方が大事じゃないかなと感じる」

内田「このままじゃダメだと思いながら止まっていたものが、みんな動き出した。もっと野球界を良くしなきゃと思っている。その動きは凄くいい。止めてほしくないし、何かで制限してほしくない。良いことも悪いこともあると思うけど、一元的に日本の野球はダメとか、断定的に話すのは良くないと思う」

谷田「球数問題に関しては、球数制限なしで監督がポリシーを持ってそれぞれの判断でやれるのが一番良くないかな」

内田「ホントはそう思う。でも、自分は球数問題はルールで縛らなきゃ難しいと思う。もし、自分が高校3年生だったら絶対投げたいから。3年間やってきた以上は投げたいと思う。でも今、社会人になって思うのは、もしもうちょっと投げていなかったら……ということ。それを考えると、ルールで縛らなきゃ難しいと思う」

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