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リオ五輪銀メダルでもミスはあった リレー日本に問われるアンダーハンドパスの対応力

「安全」な見方強いアンダーハンドパスも…問われる「その場の対応力」

 そもそも、バトンパスにミスは付きもの。今回の経験が日本にとって良い教訓となった。

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「4×100メートルリレーは400メートルハードルなどと並び、トラック競技で最も失敗の多い競技と言えます。その中で日本が採用しているアンダーハンドパスがオーバーハンドパスより安全という見方が強いですが、バトンの持ち方を含め、走りながらの微調整などその場の対応力が問われる面もあります。日本はうまいというイメージが強いですが、すべて完璧にバトンが渡っていくことは少ないもの。今回ほどではなくとも、細かいミスにどう対応するか考えるいいきっかけになったのではないでしょうか」

 東京五輪まで、あと1年あまり。金メダルが期待されるリレーの代表争いも熾烈を極める。

「今回はかなりオーダーを変え、世界選手権、東京五輪を見据えたものと感じました。近年、稀に見るレベルの高い選手が揃い、その年に誰が代表に入るかわからない状況です。9秒99を出したサニブラウン選手、飯塚選手やケンブリッジ選手を始め、もしかしたら新しい若手が出てくるかもしれない。藤光選手などのベテラン勢もいます。誰がどこを走るか固定できない状況で、選手側はいろんな走順に対応できることが望ましい。その点では今回は必要なチャレンジですし、選手、スタッフそれぞれが改善点を見つけ、対応してくれるはずです」

 今後に向けて「今回の結果は東京五輪に向かった障壁になるとか、確率が下がったとか悲観的になるべきものではありません。依然、金メダルを狙える状況に変わりありません」と語った伊藤氏。また、自身がアテネ五輪4位に入って以来となる国際大会決勝進出を決めた男子1600メートルリレーについて「注目を集めると思うので、ぜひメダルを獲ってもらいたい」と期待を込めていた。

◇伊藤友広
国際陸上競技連盟公認指導者(キッズ・ユース対象)。高校時代に国体少年男子A400メートル優勝。アジアジュニア選手権日本代表で400メートル5位、1600メートルリレーはアンカーを務めて優勝。国体成年男子400メートル優勝。アテネオリンピックでは1600メートルリレーの第3走者として日本歴代最高の4位入賞に貢献。現在は秋本真吾氏らとスプリント指導のプロ組織「0.01」を立ち上げ、ジュニア世代からトップアスリートまで指導を行っている。

(THE ANSWER編集部)

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伊藤 友広

元陸上五輪代表

国際陸上競技連盟公認指導者資格(キッズ・ユース対象)。

1982年8月16日生まれ。秋田県出身。国際陸上競技連盟公認指導者(キッズ・ユース対象)。大曲高(秋田)で国体少年男子A400メートル優勝。アジアジュニア選手権400メートル5位、同1600メートルリレーはアンカーで優勝。国体成年男子400メートル優勝。卒業後は法大に進学。04年アテネ五輪男子1600メートルリレーの第3走者として日本歴代最高の4位入賞に貢献。現在は秋本真吾氏らとスプリント指導のプロ組織「0.01 SPRINT PROJECT」を立ち上げ、ジュニア世代からトップアスリートまで指導を行っている。
http://001sprint.com/

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