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188cm115kgの逸材高校生も…ラグビー界で本格化した代表強化策「JTS」とは 欠けていた世代の橋渡しに本腰

188センチ、115キロの逸材高校生・本山佳龍も合宿でアピールした【写真:吉田宏】
188センチ、115キロの逸材高校生・本山佳龍も合宿でアピールした【写真:吉田宏】

エディーが求める選手の象徴のような存在とは

 エディーは今回JTSに招集した選手たちについて、こんな評価をしている。

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「すごく基礎レベルの選手ばかりだと思うが、まだ合宿2日間で加速度的に成長がある。いま彼らは才能があるのではなく、才能をしっかりいい方向へ育てていくことが大事だと思う」

 まだまだ原石レベルだというのは間違いない。だからこそ、7回の合宿で時間をかけて才能を磨き込む必要がある。総勢50人というメンバーに求めるのは、これまで正代表に集めた選手たちと変わらない。自分を進化させることへの貪欲さだ。

「とにかくハングリーさを選手には常に求めている。学ぶことの貪欲さ、ボールを欲しがる積極性、そしてタフであること。そういうハングリーさを、常に選手に声をかけている」

 今回のJTSメンバーの中で、そんなエディーが求める選手の象徴のような存在が、唯一の高校生、本山かも知れない。

 188cm、115kgと国際クラスのサイズを誇り、高校日本代表にも選出された本山は、高校卒業後は静岡BRでプロとしての人生をスタートする。チームの地元でもある磐田市にもキャンパスを持つ静岡産業大に通いながらのユニークな挑戦ではあるが、この選択について本人はこう語っている。

「静岡に入団することを決めたのは、強くなるためというのが理由です。強い環境でやれたら、自分も強くならなきゃいけないというマインドになると思う。もし(入団に)何か迷いがあれば、プロとしての覚悟がないということ。そこは自覚を持ってやっていきたい」

 2019年のワールドカップ日本大会を観て「自分も刺激になったし、桜のジャージーを着たいと気持ちが高鳴りました」と語る本山について、エディーも「すごく若く、体の大きな選手で、すでにテストマッチでプレーできるような体を持っている。体重も114kgですが、まだまだ増やせるような選手だし、常に成長したい意欲と、多くの情報を欲する意欲があるいい選手だと感じている」と期待を込める。

取材の最後に本山はこんなコメントをしている。

「昨日よりも今日の練習で自分は成長したという気持ちになりました。また明日もあるので、明日もまたレベルアップできるように1歩1歩頑張っていきたい」

自分自身の成長への貪欲さは、以前エディーが語っていた、若かりし頃に日々どんな思いで練習に打ち込んできたかという話とオーバーラップする。本山がエディーの話に影響を受けた発言なのか、自発的な言葉なのかは定かではないが、昨年12月に18歳になったばかりのPRが旺盛にJTSでのあらゆる経験を吸収し、成長したいと強く望んでいるのだけは間違いない。

 それでも、本山が正代表になれる保証は何もない。ここから、どこまで成長して指揮官に認められるかという自分との戦いが始まる。強化環境は1歩1歩ではあるがバージョンアップされようとしている。理想としては、今回遠征が組まれているオーストラリアはじめ2023年に相次いでパートナーシップを結んだNZ、イタリアなどとの国際連携の成果を、この育成レベルの選手たちにも早急に還元していくべきだろう。後は、高校卒業前の少年が抱いているのと同じ成長への野心をどれだけ多くのJTSメンバーが持ち続け、2027年、31年、そして日本も開催を狙う35年ワールドカップへ向けて桜のジャージーを掴めるかに、このプロジェクトの成否がかかっている。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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