なぜ、テニス選手はラケットを壊すのか 現役選手が明かすコート上の「孤独」とは
では、どうすれば防止できる? 綿貫が提言する体系的なペナルティ制度
では、ラケット破壊はどうすれば防止できるのか。
綿貫は、現状の罰則の問題点を指摘した上で、選手の心がけ以外に重要な施策が必要であると提言する。
「ラケット破壊などは大会毎の規定があります。悪いマナーや振る舞いがあれば、選手はコードバイオレーションとして罰金を支払うことになります。それだけでは『お金を払えばいいや』と、選手はその場の激情に任せてラケットを投げてしまいます。
ATPや日本のテニス協会が明確な罰則を設け、コードバイオレーションなどの累積ポイントで出場停止などのペナルティを与えれば、ラケット破壊も減るのではないでしょうか」
大会毎に定められた単発的な罰金にとどまらない、体系的なペナルティ制度を導入することで、ラケット破壊のシーンは減るのではないか。綿貫は、そう分析していた。
コート上では相手だけでなく、孤独という「見えない敵」とも戦っているテニス界のトッププレーヤー。とはいえ、未来のトッププレーヤーの模範として、ラケット破壊は許されていい行為ではないだろう。
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ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer