韓国フィギュアは“日本の跡”を辿れるか 膨らみ始めた「ヨナ・キッズ」という蕾み
「みどり・キッズ」の出現でフィギュア大国になった日本の道を辿れるか
前述した通り、キム・ヨナという韓国が誇る偉大なフィギュアスケーターが登場したことで、彼女に憧れる「ヨナ・キッズ」が誕生した。これは、日本でもすでに起こった現象でもある。女子で初めて3Aを跳んだ伊藤みどりという日本が誇る偉大なフィギュアスケーターが出現したことで、伊藤に憧れた「みどり・キッズ」たちが次々と成長して世界で活躍するようになったことが今の日本を「フィギュア大国」にしたことは間違いないからだ。
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チャ・ジュンファンは世界的に有名なオーサーコーチに指導を受け、ユ・ヨンをはじめとしたイム・ウンス、キム・イェリムら韓国女子のトップ選手のほとんどは海外の著名なコーチの下で世界に羽ばたこうとしている。そんな状況をみると、2010年バンクーバー五輪でキム・ヨナが金メダルを取って世界一になってからまだ9年しか経っていない中で、ジュニア時代はまだ蕾みのままの「ヨナ・キッズ」たちだったが、成長を遂げながら少しずつ蕾みが膨らみ始めてきた。あと1、2年もすれば大輪の花が次々と開花を迎えるところに来ているように感じるだけに、韓国フィギュアスケート界の現在地は一瞬の輝きを放ったキム・ヨナ時代を経て「夜明け前」と言えるのではないだろうか。韓国フィギュア界が日本フィギュア界と同じ道をたどれるのか、注目していきたい。
(辛 仁夏 / Synn Yinha)