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ラグビー日本戦前日MTGに現れた1人の男 原辰徳、ペップを訪ねたエディーHCも唸った「勝利へのマインドセット」

車椅子と15人制、2つの“ラグビー”の共通項とは

 実はサモア戦が代表戦初観戦だったという池主将だが、自分たちがプレーするラグビーとライブ観戦したもう一つのラグビーについて、こんな共通項を語ってもいる。

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「僕が一番感じているのは、全員が日本の文化を持っているわけではない中で、多様性の尊重というところがすごく大切な競技だということですし、その中にきちんとしたリスペクトがある。そしてチームとして信じあうところ、繋がりが欠けると一気に流れを持っていかれるけれども、その繋がりが切れなければ最後まで本当に素晴らしいラグビーを展開することが出来る。こういったところは共通点じゃないかと感じながら観ています」

 ラグビーと名乗れど、前方へのパスなどこの2つのラグビーには似て非なる部分も少なくはない。だが、お互いの違いを認め合い、補いながらゴール、トライを目指す組織性や、そのために必要な相互理解、そして敬意という、根源的なプレーをするための欠くことが出来ない価値観は変わりない。

 池主将からのエールを受けてサモアを乗り越えた日本代表が、コロナでの中止を挟み3大会(5年)ぶりのPNC優勝を懸けて挑むのはフィジー代表。世界ランキングでは、サモア戦勝利で1ランク上昇した日本の13位に対して10位、そして昨秋のW杯でも日本が果たせなかった決勝トーナメント進出を果たした強敵だ。ここまで対戦してきた相手が日本同様に若手育成という布陣だったのに対して、フィジーは準決勝アメリカ戦のメンバー23人を見ても、23年W杯経験者がFWを中心に11人揃う。準決勝までの相手よりワンステージ上の強豪に、どこまで「超速」で戦うことが出来るのか。池主将のスピーチから再認識させられたラグビー普遍の価値観を胸に、若き桜の15人がPNCの金メダル獲りに挑む。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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