「練習しろ」「まぐれだ」女子ゴルファーに容赦ない誹謗中傷 河本結が「気にしない」境地に至るまで
誹謗中傷に悩むゴルファーの姿に「思うことはある」
ゴルフの楽しさを忘れてしまっていた昨年、転機となる出会いがあった。メンタルトレーナーの兼下真由子氏を紹介されたことだ。
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瞑想を取り入れたトレーニングで、他競技の一流アスリートも受講する「WINメディテーション」を始めた。最初は「赤いリンゴ」と鮮明に思い浮かべることからスタート。地道に自分の心と向き合い、ショット、パッティングが思うままに打てる姿を明確にイメージできるようになった。
次第に周囲の雑音も気にならなくなった。「怒ることもなくなった。今は努力しているという感覚がないです。無理して頑張っているのではなくて、やりたいからやっている」。酷い時には7キロほど落ちてしまった体重も、ベストに戻った。
過去に対する悲観的な感情はない。ただ、辞めることを選んでもおかしくない精神状態になった時期もあるから、誹謗中傷に悩むゴルファーの姿には心を痛める。
「私にはこれ(ゴルフ)しかない。ここにいる人はみんなそうだと思います。みんな、きつい中で良いも悪いも命を懸けてやっている。当の本人でなくても思うことはある」
ツアー会場では選手の応援ボードやタオルを掲げ、目の前のプレーに選手を問わず拍手やエールを送るギャラリーが目立つ。ネット上を通じた交流も、そうあってほしいと願う。
(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)