世界体操で日本は何を得たのか 女子初出場18歳の健闘と、内村航平の健在の意味
体操の世界選手権(カタール・ドーハ)は3日に全日程を終了。男子団体は東京五輪出場を決め、女子は村上茉愛(日体大)が日本女子初の個人総合銀メダルを獲得した。「THE ANSWER」では元日本代表の岡部紗季子さんに今大会の総括、東京五輪に向けての日本の課題を語ってもらった。
元日本代表・岡部紗季子さんが見る今大会の総括と東京五輪に向けた課題
体操の世界選手権(カタール・ドーハ)は3日に全日程を終了。男子団体は東京五輪出場を決め、女子は村上茉愛(日体大)が日本女子初の個人総合銀メダルを獲得した。「THE ANSWER」では元日本代表の岡部紗季子さんに今大会の総括、東京五輪に向けての日本の課題を語ってもらった。
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今大会のハイライトは何といっても、日本女子体操界初となる、村上の個人総合銀メダルだ。
「村上選手本人も試合後に話していましたが、今大会はとにかくは大きな舞台で一つもミスがなかった点に成長を感じました。そして、銀メダルという結果に結びついたことも、今後、世界で戦っていく上で自信になったと思います」
一方、東京五輪に向けて浮き彫りとなった課題の一つに、選手層の厚さが挙げられるだろう。日本は団体戦こそ6位入賞を果たしたが、種目別ではゆかの村上以外、一人も決勝に残っていない。
「団体戦で日本と同等の得点だった中国やカナダは、種目別にも2人、3人と選手が残っています。その他の国も若い選手が出場し、失敗を恐れずにチャレンジする姿が印象に残りました。彼らは大きな舞台で経験を積み、来年、再来年とどんどん力もつけてくるはず。
それこそ、チームの4番手、5番手の選手が出場してもおかしくない環境にあると思います。今大会の日本は団体戦でも、3選手が全種目を演技することがベストの状況でした。今後は代表候補たちの力の底上げと、村上選手に頼らずとも勝てるチーム作りを期待したいです」
そんな中、岡部さんは世界選手権初出場の18歳・畠田瞳(目黒セントラルスポーツ)の健闘を称える。
「団体戦の1番手はチームの流れを決める大役。かかるプレッシャーは、個人種目よりも大きい。その中でミスなく次の選手へとつなげていけたのは、畠田選手自身、そして日本にとって大きな収穫です」
さて、女子は今大会もシモーネ・バイルズ(米国)が圧倒的な強さを見せつけたが、「唯一無二の存在を印象付けた」と岡部さんが話すのは、168センチの長身選手、ニナ・デルバール(ベルギー)。段違い平行棒ではバイルズを抑えての金メダルだった。