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村上茉愛は輝くか、内村航平負傷の影響は… 世界体操の見所とニッポンの現在地

内村に代わるエースとして期待がかかる白井健三【写真:Getty Images】
内村に代わるエースとして期待がかかる白井健三【写真:Getty Images】

男子のエース・内村負傷の影響は? 白井健三の大きな成長に期待

「採点競技は出来の度合いにより、0.1、0.3、0.5とどんどん減点されます。特に落下や転倒、着地での失敗は1点減点と非常に大きい。着地でしっかり止まる、しかも美しい直立の姿勢で決めるよう大事にしたい。また、技の難易度が低くとも、一つ一つの演技を丁寧に行い、質を高めることで、可能性は出てきます。

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 また、世界的な大会では点の良し悪しだけでなく、国の特長に着目するのも面白い。ロシアは高い柔軟性とバレエ要素のある動きの美しさが、中国も技だけでなく手のさばき一つにも『らしさ』があります。個人的にはオランダに注目。床や平均台のターンやジャンプといったダンス要素に、一味違った趣があり、見応えがあります」

 一方の男子日本代表は、現地入り後、エースの内村航平(リンガーハット)が右足首の負傷のため、個人総合出場を断念。団体予選ではロシアに続いての2位につけたものの、今後も厳しい金メダル争いが予想される。だが、「内村選手はこのところ社会人大会で好成績を残していたので残念ですが、逆に言えば若手にとってはアピールするチャンス」と岡部さんは話す。

「10連覇した内村選手が“キング”と呼ばれるように、個人総合は花形。若手には世界的大会で挑戦できるチャンスも早々、巡ってきません。今大会、大きな舞台でも戦えることをアピールできれば、東京で個人総合に抜擢される可能性も出てきます。また、白井健三選手(日体大)も場面、場面で、内村選手の代わりにチームを引っ張る役割を担うことになる。今までも日本の主軸ではありましたが、その経験が真のエースとしての大きな成長につながるはず」

 東京五輪までには、まだ1年半以上の時間が残されている。しかし、選手たちにとって今大会は、2020年で結果を残すための一つの岐路となる。

「世界各国のトップ選手が集まる今大会で、自分は現時点で、世界のどのポジションに位置するのかが分かります。それは、今後のトレーニング計画を決める指針になり、ある選手にとっては自信にもつながる。また、若手はオリンピック予選というプレッシャーのなか、日本代表の重責を背負って戦う貴重な経験になる。ベストコンディションで東京に臨むための大事な大会なのです」

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岡部 紗季子

 1988年5月16日、東京都生まれ。朝日生命体操クラブ出身。4歳で体操を始める。02年、ナショナルチームメンバー初選抜。明大では2大会連続ユニバーシアード代表に選出。得意種目はゆか。

 引退後は明大コーチを経て、体操教室で指導を行う。TBS系「KUNOICHI」でも活躍。自身のインスタグラムでは街や海など様々な場所で逆立ちやバック転などアクロバティックな技を披露し、人気を博している。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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