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「日本はテクノロジーの分野でリードすべきだ」 世界的名将が本気で目論む日本ラグビーの革新――エディー・ジョーンズ独占インタビュー

エディーHCは2027年W杯までの「Journey」を描いている【写真:矢口亨】
エディーHCは2027年W杯までの「Journey」を描いている【写真:矢口亨】

2027年W杯までの旅路「4年目のスタート時点で90%のメンバーが固定された状態に」

 エディーは以前からチームの強化やW杯までの挑戦を「Journey=旅」と例えてきた。では、2027年までの旅はどんなものと思い描いているのだろうか。

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「1年目は土台作りですね。そこまで戻らないといけない。いい勤勉さをしっかり確立して、選手に本当に変わりたいという、喉がからからになるような意欲を持たせたい。そして安定したプレーが出来る選手を50~60%は作り上げる。それから専門知識を落していく。4年目のスタート時点で90%のメンバーが固定されている状態にする中で、大学生ら若い世代から1、2人のXファクターとなるような選手を入れていくことで、チームはまたフレッシュな状態になる。そんなことを考えています」

 やはり、この指導者が重視するのは選手の「意欲」であり、言い方を変えれば2015年にも持てはやされた「マインドセット」だ。そのため、代表候補の前段階でもある福岡での2日間でも、2015年までの強化でも手腕を発揮した心理学者の荒木香織をメンタルコーチとして帯同させている。

 本格始動となる6月に、先にも触れたイングランド代表戦から第2次エディージャパンの戦いがスタートする。指揮官にとっては因縁の相手だが、過去の対戦でも昨秋のW杯での黒星(12-34)を含めて日本が11戦全敗という強敵だ。スタートラインでいきなり戦うにはかなり厳しい相手だがエディーは楽観的だ。

「でも、ある意味いいでしょう。ジャパンにとってイングランドは正反対のスタイルのチームです。私たちがやるのはこういうラグビーだと示すには格好の相手だと思います」

 今シーズンは、最終戦も11月末に敵地トゥイッケナムでのイングランド戦に決まっている。イングランドに始まりイングランドで終わるのもエディーにとっては運命的でもあるが、このカーディングもプラス思考で捉えている。

「私がイングランドHCだったとき(22年)には、同じトゥイッケナムで日本代表をしっかり打ち負かしている(52-13)。でも今度は日本らしいラグビーをして勝つ、最初のイングランド戦から6か月でどれだけ成長したかを示す試合です。(辛辣で有名な)イングランドメディア? 彼らは少しうるさいけれどね」

 最後もジョークと笑顔でインタビューを締めくくった。2022年、23年に率いたチームの不振から、トップクラスの指導者として疑問の声もある。日本代表HC就任の経緯では母国オーストラリアのメディアを中心にネガティブキャンペーンを受けるなど、グラウンド外でも物議を醸したが、高く困難なハードルに挑戦することを常に楽しむ姿勢だけは変わらない。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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