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今年は國学院大が完全制覇、箱根ランナーが走る沖縄の大学駅伝とは 駅伝が叶える“島おこし”

第1中継所で2位でタスキを繋ぐ順天堂大1区の鬼澤大樹(左)と2区の荒牧琢登【写真:長嶺真輝】
第1中継所で2位でタスキを繋ぐ順天堂大1区の鬼澤大樹(左)と2区の荒牧琢登【写真:長嶺真輝】

2月に「箱根の片道」を走る意義は…

 大学駅伝は10月の出雲駅伝(6区間、総距離45.1km)、11月の全日本大学駅伝(8区間、総距離106.8km)、1月の箱根駅伝(10区間、総距離217.1km)という三大大会を終え、世代替わりを迎える。

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 先述のように、宮古島駅伝は学生駅伝界で国内最長の距離がある箱根の片道と同程度のスケールがある。暑さや島ならではの強い海風も含め、新チームとなったばかりのタイミングでこの過酷なレースを走る事に対し、各チームの関係者はどのように捉えているのだろうか。國學院大の山口祥太コーチは初出場を決めた理由をこう語る。

「箱根駅伝が終わり、新チームとしてリスタートするタイミングの初戦でこの距離の駅伝を走ることは今後に繋がるのではないかと考え、参加を決めました。三大駅伝で優勝を狙うという雰囲気づくりが大事になってくるので、今回しっかり勝ち切ってくれたことはとても評価しています。ここで満足せず、この先に繋げていってほしいです」

 この時期は2月の香川丸亀国際ハーフマラソンや3月の日本学生ハーフマラソンなど、個人で同程度の長さを走る大会はあるが、「雰囲気づくり」というコメントから見て取れるように、新チームとしての結束力を高めるという効果を見出しているようだ。
 
 今年の箱根で4年ぶりにシード権を逃した順天堂大のアンカーを務めた岩島共汰(3年)も「気象条件も含めてかなりタフな駅伝ですが、自分たち順天堂大としては箱根が悔しい結果に終わったので、ここからまたスタートを切れたことはいい経験になりました」と話し、チームとして新シーズンに向かうタイミングでの開催を歓迎していた。
 
 箱根への出走を目指す個々に選手にとっても、自己研鑽を積む場になったよう。以下は國學院大1区を走った野中のコメントだ。

「1年の出だしは学生ハーフや丸亀という大会もありますが、自分もロングを走れる選手になることを目指しているので、こういう機会を頂けるのはありがたいです。来年の箱根には主力として出場したい。距離が似ているので箱根をイメージし、自分の力を示すことを目的に走れました」

 その他、選手からは「タフな条件なので、記録を狙うというよりは自分を鍛えるという意味でいいレースになりました」との声も聞かれた。

 各校ともトップクラスの選手を揃えている訳ではないため、本気で競い合うという質の大会ではないことは間違いない。それでもチームにとっても、個々の選手にとっても、宮古島駅伝に出走する意義は十分にあるようだ。

 後編では、東急、三菱地所などの著名企業が協賛する理由を大会の仕掛け人が語る。

(長嶺 真輝 / Maki Nagamine)

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