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カナダの国籍選択で五輪Vへ 柔道世界女王・出口クリスタが手にした「スラムダンク勝利学」

柔道のグランドスラム(GS)東京大会初日が2日、東京体育館で行われた。女子57キロ級では、28歳の世界選手権女王・出口クリスタ(カナダ)が初優勝。決勝はジェシカ・リマ(ブラジル)に54秒で一本勝ちした。カナダ国籍を選択して目指した東京五輪は代表落選。再び世界女王に上り詰め、「スラムダンク勝利学」のメンタルトレーニングが生きていることを明かした。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

出口クリスタ【写真:Getty Images】
出口クリスタ【写真:Getty Images】

柔道グランドスラム東京

 柔道のグランドスラム(GS)東京大会初日が2日、東京体育館で行われた。女子57キロ級では、28歳の世界選手権女王・出口クリスタ(カナダ)が初優勝。決勝はジェシカ・リマ(ブラジル)に54秒で一本勝ちした。カナダ国籍を選択して目指した東京五輪は代表落選。再び世界女王に上り詰め、「スラムダンク勝利学」のメンタルトレーニングが生きていることを明かした。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 冷静に、淀みなく一本を奪い取った。決勝。出口はわずか54秒で大外刈りを決めた。「なるべくリラックスして自分の試合をすることを心掛けた」。畳を降りて凛々しい表情が一変。笑顔を輝かせ、日本の観客に感謝した。

 カナダ出身の父と日本人の母を持ち、長野・塩尻市で生まれ育った。地元の誠心館道場で柔道を始めたのは3歳。松商学園高ではインターハイや全日本ジュニアで優勝したが、次第に力で押す柔道が通じなくなり、山梨学院大では優勝から遠ざかった。

 五輪への夢を諦めかけた頃にカナダ代表コーチから誘いを受け、2017年に同国国籍を選択。「東京五輪で金メダル」という夢を叶えるための決断だった。しかし、代表有力候補だった東京五輪はコロナ禍で1年延期になり、選考方法が変更。21年世界選手権は5位に終わり、優勝したジェシカ・クリムカイトに代表権を奪われるなど、コロナ禍の煽りを受けた。

 夢への思いが強いだけに、代表争いで気負いすぎた。改善のために取り組んだのはメンタルトレーニング。大学の恩師・山部伸敏監督(当時)の紹介を受け、「スラムダンク勝利学」の著者・辻秀一氏に師事した。超人気漫画をテキストにしたスポーツ心理学。出口は「勝とうとか、負けたくないとかじゃない」と学びを得た。

「自然体でいることが一番大事だと教わりました。メンタルトレーニングは試合の時だけじゃない、と。いかに通常の自分で、どんな時も平常心でいられるか。それを普段から気にしながら生活しています。イライラすると、自分だけではなく周りにも影響する。日頃からイラッとしてしまうことをなくしたり、平常心を保てるような助言をしてもらいました」

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