井上尚弥、20年先まで見据えたボクシング人気 ネット配信時代と重なる全盛期「後輩もこの波に」
2度目の4団体統一も「記録ありきの試合ではない」と断言「どれだけ強くなれるか」
目前に迫った世界2人目となる2階級での4団体統一。「世界に向けての偉業」と注目を歓迎するが、「今回も記録ありきの試合ではない」と断言する。記録は興行を盛り上げる要素、モチベーション維持の助けにはなるが、モンスターの本質をついてはいない。
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大切にするものはデビュー時と変わらない。
「本当に強い相手と戦いたいし、それを証明するために4本のベルトをまとめるのが手っ取り早い。記録を全面に押し出すわけじゃないです。どんなパフォーマンスを出せるか、どれだけ強くなれるか。12月26日にどれだけ強さを発揮できるか」
記録やベルトの本数ではなく、強いか否かが「結果」という。「ベルトじゃなくて結果が大事。結果にベルトがついてくるものだと思う」と繰り返した。
引退を公言する35歳まであと5年。パワー、テクニック、スピード、精神力、戦術遂行能力などボクサーに必要な全ての要素を超一流レベルで兼ね備えるモンスターだが、「まだ伸びる」と言えるのが驚きだ。「自分がどこまで強くなれるのか」と語る横顔は、高揚感さえ漂っていた。
「(練習でも)気持ちと体が凄く良いバランスで、安定感が増しているんですよね。まだ伸びると感じながらトレーニングできている。フルトン戦でも感じたし、最初にチャンピオンになった時と今で考えが違う。若い時は勢いでボクシングをすることもあったし、それで怪我もあった。一番大事なのは、気持ちと体のバランスを意識すること。やりたいボクシングができていると思います」
自分で極め抜いたボクシングを届けたい。「強い」と評価するタパレスとの激突。どんなシーンを生み出してくれるのか、今から想像が尽きない。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)