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ロッテ谷保恵美さん「悔いは何もない」 野球ファンに愛された33年、鴎の名物担当が放送室に別れ【引退手記】

「まさかこんなにも長く野球のそばにいられるとは」 同志と語るZOZOマリンとともに歩んだ担当人生だった【写真:編集部】
「まさかこんなにも長く野球のそばにいられるとは」 同志と語るZOZOマリンとともに歩んだ担当人生だった【写真:編集部】

「冠婚葬祭に出られず申し訳なかった」それでも続けた原動力は

 自分の仕事で褒められることは何もないけれど、担当の試合に穴を空けなかったことだけは誇りです。これだけ続けられた原動力は、やっぱり責任感かなぁ。

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 家族や友人の冠婚葬祭に出られないときは申し訳なかったですし、どんなに行きたいK-POPのコンサートがあっても「担当があるだろ」って(笑)。就職で本当なら親のそばにいたほうがよかったかもしれないけれど、この仕事がやりたくて北海道から送り出してもらった。ちょっとやそっとじゃ、辞められないですよね。

 30年間で一番いた場所が、球場の放送室。あの小さな部屋で、自宅よりも時間を過ごしてきました。これからは、広い球場のどこにでも行ける。2000試合以上マリーンズの試合を見させてもらいましたけれど、ほとんどあの場所からしか見たことがないんですよね。2階席で海を眺めながら応援もしたいし、ネット裏からじっと野球を見てみたいし、ライトスタンドで応援したらどうなるか……応援歌を全てきっちり歌えるようにしてから行かないといけませんね。

 職員になった頃の自分には、今の状況はとても想像できませんでした。2~3年で北海道に帰るかもなって思っていたし、まさか33年、こんなにも長く野球のそばにいられるとは。試合終盤、何度も劇的な逆転勝ちをしてくれたマリーンズのように、人生も何が起きるか分かりません。

 担当を引退して、今後やってみたいこともありますが、まずは球場で純粋に楽しみたいなって思います。マリーンズファンの皆様と一緒に沢山の試合を過ごし、応援出来て本当に幸せでした。これからもマリーンズをよろしくお願いいたします。OBの皆様を含めチームの皆様、関係者の皆様には長い間お世話になりました。未熟なアナウンスが多かったかと思いますが、どうぞお許しください。来シーズンからは憧れのスタンド席で応援しております。たにほ~~~より。

(千葉ロッテマリーンズ 場内アナウンス担当)

■谷保 恵美(たにほ・えみ)

 1966年5月11日生まれ。北海道帯広市出身。帯広三条高では野球部マネージャー。札幌大女子短大に進学後も札幌大野球部のマネージャーを務める。90年にロッテオリオンズ入社。91年から2軍の球場アナウンスを担当する。94年からは主に1軍本拠地を担当し、96年10月1日の近鉄25回戦以後は1試合も休むことなく連続担当を継続。33年目の今季、公式戦のアナウンス担当2100試合を達成した。右投右打。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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