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“変則コース”の五輪選考会MGC、勝負の鍵は? 渡辺康幸が注目する30km以降と「省エネ走法」

渡辺康幸氏が見るパリ五輪代表争いの行方

 自己ベストで見ると、男子は日本記録保持者の鈴木健吾(富士通)、女子は新谷仁美(積水化学)がトップだが、鈴木は1年半近くマラソンレースから遠ざかっており、新谷は9月末のベルリンマラソンで日本記録を狙う挑戦を優先したために欠場。そんな中、渡辺氏に代表争いに絡みそうな選手を敢えて挙げてもらった。

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「やはり大迫選手(傑/Nike)は強いと思いますし、彼と一緒に練習している吉田裕也選手(GMOアスリーツ)も面白い。先に挙げた九州勢では前回MGC4位の大塚祥平選手、トラック種目で好記録を出している赤崎暁選手の九電工の2人。あと安川電気の古賀淳紫選手は30キロ以降の勝負に生き残ってくる可能性が高い。8月の世界陸上選手権で終盤までメダル争いに絡んだ山下一貴選手(三菱重工)がどこまで状態を戻してレースに臨めるか。状態が良ければ、強さを発揮すると思います。

 女子は新谷選手が欠場するため、展開が読みづらい。やはり前半はスローペースとなり、天満屋は前回MGC優勝の前田穂南を筆頭に4名が全員実力者ですし、東京五輪8位の一山麻緒(資生堂)、安藤友香(ワコール)という世界大会経験者あたりを中心に展開するのではないでしょうか」

 パリ五輪への切符を懸けた戦いは10月15日、男子は8時、女子は8時10分にスタートを切る。

■渡辺康幸(わたなべ・やすゆき)

 1973年6月8日生まれ、千葉県出身。市立船橋高-早稲田大-エスビー食品。大学時代は箱根駅伝をはじめ学生三大駅伝、トラックのトップレベルのランナーとして活躍。大学4年時の1995年イェーテボリ世界選手権1万メートル出場、福岡ユニバーシアードでは1万メートルで優勝を果たし、実業団1年目の96年にはアトランタ五輪1万メートル代表に選ばれた。現役引退後、2004年に早大駅伝監督に就任すると、大迫傑が入学した10年度には史上3校目となる大学駅伝三冠を達成。15年4月からは住友電工陸上競技部監督を務める。箱根駅伝の中継車解説でもお馴染みで、大迫とは卒業後も情報交換するなど親交を続けている。

(牧野 豊 / Yutaka Makino)

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牧野 豊

1970年、東京・神田生まれ。上智大卒業後、ベースボール・マガジン社に入社。複数の専門誌に携わった後、「NBA新世紀」「スイミング・マガジン」「陸上競技マガジン」等5誌の編集長を歴任。NFLスーパーボウル、NBAファイナル、アジア大会、各競技の世界選手権のほか、2012年ロンドン、21年東京と夏季五輪2大会を現地取材。22年9月に退社し、現在はフリーランスのスポーツ専門編集者&ライターとして活動中。

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