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ラグビー日本戦が「少し怖い」 アルゼンチン敏腕記者、10.8決戦へ母国の現状を危惧「一体何が…」

ラグビーW杯の会場でインタビューに応じてくれたアルゼンチン出身のフランキー・ディゲス氏【写真:吉田宏】
ラグビーW杯の会場でインタビューに応じてくれたアルゼンチン出身のフランキー・ディゲス氏【写真:吉田宏】

アルゼンチンのコーチは「いい準備ができている」と話すが…

 19-10で勝利したサモア戦も、データ的には大勝という数値も残すが、相手を完全に突き放すまでの試合展開ではなかった。攻撃の総走行数はサモアの132メートルに対して338メートル、パス回数79対173、セットプレーでもスクラム、ラインアウトで失敗なし。タックル成功率も88%を超える数値(サモアは約75%)と、データ上は快勝の数値を残しながら9点差という結果に終わっている。

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 代表の中心選手で、三重ホンダヒートでもプレーするFLパブロ・マテーラも、ハンドリングエラーの多い試合展開を「前半の強い雨も影響したが、初戦で(イングランドに)敗れたことで、非常にナーバスだったことも響いた」とチームのパフォーマンスの悪さを認めていた。

 フランキーも、この現実に首を傾げている。

「一体(チーム内で)何が起きているのか。我々にも分からない部分がある。コーチたちはすべていい準備が、万全でできていると話すが、私には試合でベストなパフォーマンスをしているとは思えない。なので、我々アルゼンチンのジャーナリストも、何か確かなものがない中で、取材し、記事を書いているというのが現状なんだ」

 プーマスを率いるマイケル・チェイカ・ヘッドコーチ(HC)は、オーストラリア出身で前回大会まで2大会連続で母国代表を率いてきた。15年シーズンには世界の最優秀コーチにも輝いた経験と実績のある指導者だ。おそらく、オーストラリアでの情報戦に敏感な風土から、母国メディアへの情報公開も限定的なのは間違いない。その中で、本当に準備は万全なのか、選手のコンディションはどうか。そんな思いが、ベテラン記者の頭の中でも渦巻いていのだろう。チームからの情報が限定的だという状況は、日本もアルゼンチンも大差はないようだ。

 日本代表については、7、8月の試合などをじっくりと観る機会はなかったという。

「でも、(7月の)負けたサモア戦は(前半30分の)退場処分もあったんだろ? 問題はビルドアップ(強化中)の時期の勝敗ではなく今だよ。アルゼンチンが7月にオーストラリアを倒した時だって、非常にいい試合だった。でも今日の試合(チリ戦)を観ても、以前よりいいとは思えない。両者とも、今のパフォーマンスを見ないといけないよね」

 指摘通り、直近のゲームはどう評価するのか。W杯に入ってからの日本代表のパフォーマンスについて聞くと、フランキー自身は、かなり評価を高めているようだ。

「チリ戦は開幕で難しい試合ではあっただろう。次のステップのイングランド戦では、少しいい部分があった。サモアとは、よりベターな試合だったと思う。チーム状態は上がってきているように見える」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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