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ラグビー日本戦が「少し怖い」 アルゼンチン敏腕記者、10.8決戦へ母国の現状を危惧「一体何が…」

日本が南アフリカにW杯で勝っている事実を「忘れてはいけない」

 こちらが聞かなくても、フランキーは間髪を入れずに母国チームの話を展開していく。

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「だがね、日本に比べるとアルゼンチンは非常に低い位置からのスタート(イングランド戦の敗戦)になった。サモア戦も、小さなステップで勝ち抜いてきた。そしてチリ相手にも、小さなステップしか上がっていないという印象だ」

 日本との決戦へ向けた前哨戦という位置づけだったチリ戦も、初出場だった敗者の健闘を称えながらも、スコア(59-5)以上に圧倒できたはずの試合だったというのが、フランキーの見立てだ。母国は低空飛行のまま、日本戦に臨もうとしているという危機感が、その表情にも滲んでいた。

 最後に、こんな話をして臨時独占インタビューを終えた。

「もちろん、アルゼンチンに勝ってほしいよ。だが、忘れてはいけないのは、日本は(2015年W杯で)南アフリカを倒したチームという事実だ。だから、この試合への答えは出せないよ」

 母国代表の勝利を信じたい思いと、それに反して、チームはベストな状態ではないという確信。そして日本が侮れない、したたかなチームであるという警戒心。彼ほどの豊富な取材経験を持っていても、“ナントの決戦”は、勝負がどう傾いていくかを読み切れないゲームだということだけは間違いない。

■フランキー・ディゲス / Flankie Deges

 1968年1月8日生まれ。ブエノスアイレス出身。現在も居住。1987年から記者として活動を始め、ラグビーW杯も95年以降すべての大会に記者、関係者(メディア担当者)として参加してきた。現在は南アメリカのラグビー情報を提供する「Sudamérica Rugby」(スダメリカ・ラグビー)のメディアマネジャーというポストと同時に、現役記者として世界を駆け回る。世界的なラグビーサイト「Rugby Pass」(ラグビーパス)やワールドラグビー、日本のラグビーマガジンなどにも寄稿するなど、豊富な経験を基にした記事を世界のメディアに書き続ける。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)





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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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