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井上尚弥、強すぎるがゆえの悲哀 大橋会長の苦悩「今は勝てそうな王者を選べる」

昨年12月の相手とはフェイスブックで交渉!?

──そうした状況で最終的に昨年の12月はフランスのヨワン・ボワイヨ選手に決まりました。

「ボワイヨ選手は以前、フェイスブックで私に売り込んできた経緯があり、それを思い出して連絡を取り、直接交渉に入りました。お互いに英語が分からないから英語変換アプリをつかってやり取りするんですけど、翻訳アプリの精度が低いのか、全然通じなくて(笑)。最終的にまとまりましたけど、あやうくビザが取れないという事態になったりして、かなり大変でしたね。フェイスブックで交渉したと明かしたら、けっこう批判されたんですけど、本当に最後の手段だったんです」

──結果的にボワイヨ選手は井上選手にまったく歯が立たずに3回TKO負けでした。

「そうでしたね。でもまあ、あの状況では日本まで来てくれて、試合をしてくれただけでも感謝しないといけないでしょうね。大変ですよ(笑い)」

 強すぎる王者ゆえの悲哀。スーパーフライ級時代はことごとく対戦相手に逃げられ、井上が熱望していたビッグマッチは実現しなかった。それだけにバンタム級での頂上決戦、WBSSは待望のビッグイベント。ファン以上に、本人が1番楽しみにしているのかもしれない。第2回は3階級制覇を達成した5月25日のジェイミー・マクドネル(英国)との1戦。衝撃的な強さを見せた舞台裏には様々なドラマがあった。(第2回に続く)

【第2回】井上尚弥、3階級制覇の舞台裏と幻のフライ級挑戦 大橋会長「今頃4階級王者だった」
【第3回】井上尚弥は逃げない 大橋会長が語るマッチメークの流儀「負けを恐れる必要ない」
【第4回】井上尚弥、適正階級はスーパーバンタム!? 大橋会長が描く将来像「37歳まで現役なら」

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