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女子ゴルファーが心を痛めるサイン転売問題 断れない子供を使う悪質な親バイヤーも…現場で聞いた本音と現状

近年ますます盛り上がりを見せる国内女子ゴルフツアー。若手、中堅、ベテランにそれぞれ数多くの実力者が揃い、人気、関心が高まる一方、選手たちを悩ませているのがサイン転売の問題だ。

選手たちを悩ませるサイン転売の問題、被害を知る選手の本音は【写真:Getty Images】
選手たちを悩ませるサイン転売の問題、被害を知る選手の本音は【写真:Getty Images】

女子ゴルファーを悩ませるサイン転売問題、現場の声は

 近年ますます盛り上がりを見せる国内女子ゴルフツアー。若手、中堅、ベテランにそれぞれ数多くの実力者が揃い、人気、関心が高まる一方、選手たちを悩ませているのがサイン転売の問題だ。

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 時間をかけて丁寧にサインしたアイテムやグッズが、フリマサイトなどで高額出品されているケースは少なくない。悪質な“バイヤー”の行動、被害を知る選手の本音について、ツアー会場で聞いた。(取材・文=THE ANSWER編集部・宮内 宏哉)

 ◇ ◇ ◇

 あるフリマサイトで「ゴルフ サイン」と検索をかけると、数えきれないほどの出品がヒットする。

 特に多いのがボールやキャップ。手軽にサインしてもらえる小さなアイテムが、同じアカウントから大量に出品されている場合もあり、中には数万円の値がつけられているものも。10万円以上の高値で売られているキャディーバッグなどもあった。

 この多くが、選手の善意を踏みにじる転売品。胸を痛めている女子ゴルファーは数多い。

 国内女子ゴルフツアーでは、プレーを終えた選手が会場を後にする前に、現地に応援に来たファンにサイン対応することがある。ひとたび選手が立ち止まれば長蛇の列が生まれ、時には1時間近くペンを走らせる選手も。子供には中腰で目線を合わせ、1人1人に「ありがとうございます」と丁寧に声をかける姿は感心させられる。

 成績だけを考えれば、調整やケアに時間を使ったほうがプラスかもしれない。しかし、会場で話を聞いたあるシード常連の選手は「(プレーの妨げになるため)会場の写真撮影が禁止されているので、サインは数少ない形に残る思い出。全ては難しいけれど、可能な時には応じてあげたい」と積極的な姿勢を示した。

 サインができるかどうかはルーティンや体調、その日の予定によって判断されるため、全ての選手が全ての求めに応じることはできない。立ち止まっている選手が貴重な時間を割いていることは確かだ。

 そこまでして書いたものが売られてしまっていると知ったときの無力感は察するに余りある。選手は転売前提でサインをしておらず、快く思わないのも当然。特に陰湿なのが、子供がもらったサインを親が転売するケースだ。

 プレーヤー側もジュニアに夢を与えたい思いがあり、特に子供相手には断れない。そんな事情を利用した親が、会場で子供に複数人のサインを集めさせる事例もあるという。

 被害を受けるのは選手だけではない。そばで支えるキャディーに対し「サインをもらう約束をした」と高圧的な態度で詰め寄り、無理やり対応させる悪質な観客も過去に目撃されている。

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