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井上尚弥は衝撃TKOでも「完璧」じゃない 最強でも課題を見つけてくる、その姿が恐ろしい

記録にこだわらない井上が気になる記録「返り咲きは…」「リーチをかけているので」

 ただ、少し気になるものがある。17階級で体重差がなかった場合の格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」だ。

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 階級を超えた世界No.1ボクサーを証明する指標。井上は昨年6月、世界で最も権威のある米専門誌「ザ・リング」のほか、主要な海外メディアで日本人初の1位に君臨した。同誌では8月に陥落したが、現在も2位をキープ。フルトン撃破で再び1位になる可能性があり、すでに1位昇格を発表したメディアもある。

「(リング誌で)1位の返り咲きはありますかね。1回、なっているので気になりますよ。前は気にならないと言っていましたけど(笑)」

 試合を見守ったWBAスーパー&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)とは、リング上で年内の4団体統一戦の実現を約束。現時点では2階級で4団体を統一した選手は世界で一人もいない。しかし、今月29日(日本時間30日)にWBO世界ウェルター級王者テレンス・クロフォードが、3団体統一王者エロール・スペンスJr.(ともに米国)に勝てば世界初となる。

 ここにもほんの少しそそられていた。

「『スペンス、勝ってくれ』って(笑)。記録は興味がないけど、気にはなりますよ。(2階級4団体統一は)クロフォードがミスったら、自分を除いてほぼほぼ出てこないですよね。一応、リーチをかけているので、スペンスを応援します(笑)」

 年内に4団体統一を果たしたとしても「スーパーバンタム級に留まると思う」と説明。海外メディアからはもう1つ上のフェザー級、さらに上のスーパーフェザー級での戦いも期待する声があるが、「人ごとですから(笑)。スーパーバンタム級で“キツキツ”になるまでこの階級にいる。無理して上げない。前から言うように階級制のスポーツなので、しっかり自分の体と相談したい」と安易な選択はしない。

 陣営の大橋秀行会長は「今は大舞台が日本にある。そこで盛り上げるのが、井上尚弥の役目」と今後の海外開催を否定した。さらに「4団体統一をして、来年、カシメロとかネリとやるのも盛り上がる」と言及。これまで井上を再三挑発し続けてきたジョンリエル・カシメロ(フィリピン)、ルイス・ネリ(メキシコ)の2人も将来の対戦候補に挙げた。ネリはすでにWBCの挑戦権を持っている。

 通常の選手は世界戦から1か月ほど休養するが、井上は「今日この後、練習をしようかと」とニヤリ。隣に座る大橋会長を「え?」と驚かせた。「日本でやれば盛り上がる。日本を盛り上げていきたい」。試合翌日なのに傷一つない綺麗な顔の30歳。現役世界No.1クラスにいても、まだ軽々と完璧ではないと言える姿が恐ろしい。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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