井上尚弥は衝撃TKOでも「完璧」じゃない 最強でも課題を見つけてくる、その姿が恐ろしい
ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)が26日、4階級制覇から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナでスティーブン・フルトン(米国)に8回1分14秒TKO勝ちで2団体の王座奪取。世界に衝撃を与えたが、まだ課題があるという。過去最強レベルの実力を見せつけても、まだ完璧ではない恐ろしさを垣間見せた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
井上尚弥、一夜明け会見で課題を説明
ボクシングのWBC&WBO世界スーパーバンタム級2団体統一王者・井上尚弥(大橋)が26日、4階級制覇から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナでスティーブン・フルトン(米国)に8回1分14秒TKO勝ちで2団体の王座奪取。世界に衝撃を与えたが、まだ課題があるという。過去最強レベルの実力を見せつけても、まだ完璧ではない恐ろしさを垣間見せた。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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最強のモンスターは、まだ強くなれる。リングを支配し、暴れ回った井上。これまでより1.8キロ重い新階級でキレキレの動きを見せ、フルトンを8回TKOで葬り去った。スピード、パワーともに人生最強レベル。しかし、まだ天井には届いていないという。リング上でも「課題がある」と話していた内容の詳細を明かした。
「減量、(前日計量からの)リカバリーの仕方の面ですね。あとはリングの上でも『もっとこうすればいい』という閃き。体はトレーニング方法というより意識ですね。1.8キロ(の増量)をもっと生かせると思う」
前日計量上限53.5キロのバンタム級時代、試合当日の体重は最大で59.5キロだった。上限55.3キロのスーパーバンタム級に上げ、「当日は61キロくらいがベストじゃないか」と前日計量から増量を計画。しかし、今回は思うように増えず60.1キロだった。「だから、落とし方の問題だと思う」と分析する。
「普段の食べる量は変わっていないです。大事なのは落とすタイミングとかですね。(試合のない時期に)同じ体重に長くいると(前日計量から)戻りづらいんですよ。『1.8キロあるから減量が楽』じゃない。減量もゆっくり筋肉を残しながらやったけど、(スーパーバンタム級でのコツが)こなしていけばわかるんじゃないかなと思う。
本当に少しずつ、少しずつ意味のある筋肉をつけて、それにともなってスピードのある体にしないと。それには3年はかかるかなと思います。しっかりスーパーバンタム級の体をつくりたい」
カネロことサウル・アルバレス(メキシコ)に次ぐ世界2人目の4団体統一と4階級制覇を達成した。しかし、記録に焦点は向いていなかった。試合会場からの帰る道中、いとこの浩樹と話している時に「そういえば」と4階級制覇した事実を思い出したという。「とにかく打倒・フルトンでした」
歴史的快挙にすら浮足立たないのも井上らしい。カネロに次ぐ歴史的快挙について心境を問われても「あまり記録にこだわりはないので、それについては特に。これから先を見てほしい」と、あっさりしていた。