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三笘薫は「ほんまにネイマール」 乾貴士が脱帽する無双ドリブラーの共通点「3人目まで見てる」

乾貴士がドリブラーの定義について持論を展開。衝撃を受けた歴代の日本人選手についても語った【写真:徳原隆元】
乾貴士がドリブラーの定義について持論を展開。衝撃を受けた歴代の日本人選手についても語った【写真:徳原隆元】

三笘薫のドリブルは「ボールタッチが繊細で運び方が独特」

 乾には独自ながら、ドリブラーと呼ぶのに相応しい、いくつかの要素があるという。

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「これは自分の勝手なドリブラーの定義なんですけど、基本的に最終ラインに並ぶ4人を抜いてこそドリブラーだと思うんです。ボランチとサイドハーフを抜いていくドリブルはわりとスルスルいけるし、僕はそっちのタイプ。でも三笘くんは、両方いける。しかも僕は相手選手の能力や強さとかを見て、無理なら行かないですけど、三笘くんはどんな相手にも果敢に仕掛けてグイグイ抜いていく。ほんまにネイマールみたいです」

 三笘がブラジル代表のネイマール(パリ・サンジェルマン)に似ていると乾は言うが、どこに共通点があるのだろうか。

「ボールタッチが繊細で、ボールの運び方が独特。“0-100”のスピードがめちゃくちゃ速いし、相手をよく見ている。1人、2人とかじゃなくて、大袈裟に言えば3人目まで見ている。ここはタッチを大きくしていこう、ここは細かいタッチでいこうとか、完全に先が見えているんですよ。しかも、自分のスピードを生かすために、たまにバンッと蹴って走ってプレーする。それって、まさにネイマールと同じ。ブラジル代表にネイマールがいなければ、三笘くんが代わりにできるくらい本物のワールドクラス。ブラジル代表にいたら、もっとボールが来るし、もっと楽しめると思いますね」

 三笘はドリブルが注目されているが、ドリブルからシュートという黄金のフィニッシュワークがある。乾もドリブルからのシュートというラインが美しく、そのパターンでゴールを決めてきた。

「僕はシュートが得意じゃないんです。でも、三笘くんはシュートが打てる上に決定力もあるのが凄いところ。もちろんチャンスメイクができるので、アシストもできる。三笘くんがボールを持てば何かしらするんで、そういう楽しさもありますよね。それが凄いことですし、だから人気があるんだと思います」

 乾が「シュートが得意じゃない」と言うのは、謙遜だろう。ロシアW杯のセネガル戦で見せた巻いたシュートや、ベルギー戦で決めた無回転ミドルは技術の高さが光ったもの。三笘のフィニッシュをも凌駕するようなセンスや美しさがあった。

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乾 貴士

サッカー元日本代表 
1988年6月2日生まれ、滋賀県出身。野洲高2年時に“セクシーフットボール”と呼ばれた攻撃的なサッカーで高校選手権初優勝。2007年に横浜F・マリノスでJリーグデビュー、翌08年のセレッソ大阪への期限付き移籍を機に香川真司とのホットラインを確立し飛躍した。11年夏にドイツ2部ボーフムへ移籍すると、翌シーズンからは同1部フランクフルトでプレー。15年にはエイバルと契約し、念願のスペイン上陸を果たす。リーガ・エスパニョーラで通算6シーズンを戦い、166試合16得点はともに日本人選手の最多記録。C大阪への復帰を経て、昨年7月に清水エスパルスに加入。2年目の今季は自身14年ぶりのJ2を戦う。日本代表通算36試合6得点。18年ロシアW杯では2ゴールを奪い、日本のベスト16進出に貢献した。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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