アンダーアーマーがランニング市場に本格参入 走り指導のプロ・秋本真吾との新たなる挑戦
スポーツ界で走りの価値を提供するスプリントコーチの第一人者が新たな一歩を踏み出した。プロ野球選手、Jリーガーなど多くのトップアスリートの走り方を指導する陸上の元ハードル選手・秋本真吾氏が、大手スポーツ用品ブランド「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」と契約したことが10日、発表された。秋本氏は「THE ANSWER」のインタビューに応じ、今回の契約について言及。後編では、これまで第一線のスポーツ現場でアップデートしてきた知見をもとにアンダーアーマーと取り組むプロジェクト「UA MISSION RUN」で描いているビジョン、さらなる走りの価値向上に向けた情熱を明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
アンダーアーマーと「UA MISSION RUN」プロジェクトを始動させる秋本真吾氏
スポーツ界で走りの価値を提供するスプリントコーチの第一人者が新たな一歩を踏み出した。プロ野球選手、Jリーガーなど多くのトップアスリートの走り方を指導する陸上の元ハードル選手・秋本真吾氏が、大手スポーツ用品ブランド「UNDER ARMOUR(アンダーアーマー)」と契約したことが10日、発表された。秋本氏は「THE ANSWER」のインタビューに応じ、今回の契約について言及。後編では、これまで第一線のスポーツ現場でアップデートしてきた知見をもとにアンダーアーマーと取り組むプロジェクト「UA MISSION RUN」で描いているビジョン、さらなる走りの価値向上に向けた情熱を明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・神原 英彰)
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これまで多くのプロ野球選手やJリーガーらを指導し、「プロスプリントコーチ」というジャンルを築いてきた秋本氏。今回の契約では、単にアンダーアーマーのウェア、シューズを使用するのみならず、「UA MISSION RUN」というプロジェクトを共同で立ち上げた。
陸上部以外のアスリートはランニングについて正しい指導を受けたことがなく、自分の足に最適なシューズを履いておらず、パフォーマンス低下や怪我のリスク増大という懸念がある。さらに多くの競技には「走る」という動作があり、結果に結びつく重要なファクターでもある。
「走りの進化が、勝利へと導く」をコンセプトに、秋本氏はランニングのパフォーマンス向上を通じて、競技アスリートを目標達成に導くべく、指導する。対象は、高校・大学の強豪校からトップカテゴリーのチームまで。競技も野球、サッカー、バスケ、駅伝など、多岐に渡る。
2月にはプロ野球・西武の春季キャンプで指導し、東大ア式蹴球部(サッカー部)のスプリントコーチに就任するなど、第一線のスポーツ現場でスプリント指導の知見をアップデートし続ける秋本氏だから伝えられることがある。
今回のプロジェクトについて、秋本氏は「これをきっかけに、走りを学習する機会が増えていくのは間違いない。僕としては、これまで培ってきたエッセンスをより多くのチームと選手に伝えられるのは大きいです」と言い、スポーツ界全体に走りの価値が波及することを目指す。
「走りを学習することで、その競技のプラスになり、スポーツ自体の可能性が広がる。走りを学ぶことが必要という文化が根付いてくる。僕らのようなスプリントコーチを増やさないと……という空気は僕ら自身で作るべき。走るという当たり前の動作に目を向けると、実は発見もある。例えば、走りで瞬間的に大きい力を加える連続動作を体得した結果、野球でうまく力を抜けるようになったとか、サッカーの守備で硬くならなくなったとか。
そんな風に、いろんな副産物を増やすことにも繋げていきたい。今回のプロジェクトで目指しているのは、走りだけを良くすることではなく、結果としてスポーツ全体を良くしていくこと。走りを学んだ結果、野球も良くなった、サッカーも良くなった、というところが理想です。そのきっかけの一つに、走り方があるという流れは作りたい。だから、アスリートに対して、走りを学ばないといけないと思ってもらえるようにやっていきます」
秋本氏がスプリントコーチとして活動を始めたのが、現役引退後の2012年。その裏で「走りの指導」の価値は確実に高まりつつある。